SUNSHOWER

風と共に去りぬのSUNSHOWERのレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.0
★★★シネマトゥデイさんの企画「金曜レイトショー」で鑑賞。毎週YouTubeにて名作映画1本無料で公開するという企画。素敵な企画をいつもありがとうございます!★★★


作品を観たことのない人でも一度は耳にしたことあるだろうスカーレット・オハラ。さぞかし愛すべくキャラクターなんだろうと思いきや、主人公にはそぐわない完全性悪な「こじらせ女子」。ということは、正しいことに目覚めていく話なのかと言えば、そうではなく、やってきた悪行を贖う悲劇かというと、それもまた微妙に違う。

そもそも、性格のいい人・悪い人という概念自体、生きることを確保されている現代だから行う執着であって、生きることのままならない時代、ましてや戦時中にいたっては「生きる」という行為はどんな人間であろうとも公平だ。観進めれば、観進めるほど、スカーレットの身勝手さに嫌気が差してくるけど、この作品は「愛」を扱っていても恋愛映画ではなく、良くも悪くも人間の「生きる」力強さを描いたヒューマンドラマなのだ。

そしてなにより、描く人間描写の鋭いことこの上ない。人それぞれの個性の違いはもちろん、表面的な性格から自分でも気付いていない内面的な性格までを的確に生々しく描いてる。本当は愛しているのに、そのことを自ら受け入れることのできない心理をこんなに的確に描いた作品は観たことがない。

性悪なスカーレットだけど、周りの魅力的な人々からは愛されていた(一部を除く)。だから観ていてなぜか幸せになってほしいと願ってしまう。映画としては不思議だけど、現実にはどこかにありそうな話だけに、魅力的な作品だった。とても忘れられない作品となった (●'ᴗ'●)✧
SUNSHOWER

SUNSHOWER