ヨウ

風と共に去りぬのヨウのレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.1
南北戦争前後を逞しく生き抜いた女性の叙情詩的物語。激動の時代がもたらす厳しい現実の波。錯綜する愛。抱いていた幻想を壊され、あらゆる悲劇に見舞われるが、揺るぎない故郷への思慕だけが無限の動力源となる。傷つき傷つけられ、多岐に渡る感情を露わにしながら、強靭な精神力で波乱万丈な人生を歩んでゆくのであった。嵐のように凄烈な展開で人々の胸を打つ不朽の名作である。3時間超えの壮大なスケールには驚かされるばかり。次から次へと進行していくストーリーは休息の暇も与えないほどに激しいものであった。数え切れないエピソードの数々を目にし、感情が多方面に揺り動かされる。正直、倫理的・人道的にどうなの?と蟠りを覚える場面もチラホラと散在するが、それも含めて世界に名だたるマスターピースと化したのであろう。誰もが一度は聞いた時のある超有名作。かなりの長尺だが、磨き上げられたストーリー性はきっと心に残ること間違いなし。情緒に迫るような美しい風景をバックにスカーレットオハラという女性の壮絶な半生が紡ぎ出す高尚なドラマをぜひご覧いただきたい。
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