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ジーパーズ・クリーパーズの3110136のネタバレレビュー・内容・結末

ジーパーズ・クリーパーズ(2001年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

クリーパーがパトカーの屋根に乗っていて、
「あ、そっち系の映画なのね」と皆が思った瞬間、
66.6%


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そもそも、調べると《ジーパーズ・クリーパーズ》は3まで出ている人気シリーズのようで「あ、そっち系」というのは《エイリアン》を見ておいて「なんだ、SFか」というレベルなのかもしれません、スミマセン。

クリーパー(でいいのかな?敵の名前)は悪魔です。映画はじめはそのあたりが曖昧で、私の好きな《激突/スピルバーグ》や《悪魔のいけにえ》《クライモリ》的な恐怖かとドキドキしていたら、上記のパトカーの屋根に乗っているシーンで「あ、そっち!」となりました。正直ちょっと残念ではありましたが、別の意味で良かったのが、クリーパーがしっかり描かれているので、動きとかも含めて面白かった事。特に、向かってくる車を2度ジャンプでかわし、3度目で轢かれるシーンとかは中々笑えました。

《悪魔/デビル》って海外のホラー映画では常連的キャラクターですよね。宗教観も関係するのでしょうか。日本では《幽霊》がそれにあたりますが、その存在感度合いが全く逆なのが面白い。《幽霊》は、どちらかというと控え目、に対して《悪魔》は割りと堂々と登場しますよね。ジメジメに対し、カラッとしている的な(?)。


●不気味な空気の前半と悪魔がしっかりと露出する後半
物語を前半と後半の大きく2つに分けると、
①前半 何だかよく分からない不気味な恐怖
②後半 正体はクリーパー(悪魔)だった、そして立ち向かう
な感じです。

・前半
前半は、上にも書いた《激突》や《悪魔のいけにえ》《クライモリ》的な恐怖。この恐怖はとても好きです。どういう怖さかといいますと、一言でいうと《何だかよく分からないけど襲われる恐怖》です。相手が人間というのもポイントかもしれません。相手が悪魔だと「まあ、悪魔だから襲ってくるよね」となり、納得がいきますもんね(実際はそんな冷静に納得できないでしょうが^^;)。相手が同じ人間で、何だかよく分からないまま襲われる、コミュニケーションも取れない、しかも田舎で人気もなく、人知れず殺される可能性がある、自分の正当性を証明してくれる人もいない、的な怖さ。

とても読み応えのあるレビューを書かれるyoshiさん(@sase)という方がいて、以前に《悪魔のいけにえ》のレビューで、《僻地という隔絶された社会》という絶妙な表現をされていました。(https://filmarks.com/movies/15654/reviews/79325847)※yoshiさん、勝手に引用失礼します。

アメリカってのは広いですからね。得体のしれない社会(《社会》というと広いですが)、地域とか集落とか土地とか、そこ独自の文化・ルール・風習に対する恐怖。《知らない》ではなく《理解できない》。互いの利害も当然一致しない。考えてみると、狭い日本でもこの恐怖感覚は実はあるかもしれませんね。田舎で金持ち一家がその集落を仕切っていて、理不尽な理由で監禁され殺されちゃう、的な。集落全体が共同体なので逆らえない。そういうホラー映画ありますよね。

前半はそんな恐怖が感じられる展開です。鉄の塊のような錆びたトラックに煽られるとか、まんま《激突》ですね。小屋をとおり過ぎるときに、不気味な男が死体のようなものを捨てていて、かつこちらをジーッと見ている、とか中々ゾクゾクします。怖い。

姉弟がダイナー(カフェレストラン)について「警察に連絡して」と騒ぎますが、よそ者である2人をどこか冷めた目でみるその土地の人々、あの表現も怖い。意思の疎通ができない感じ。(この物語では、実際はそんなことはなく、みんな血の通った人たちでしたが)変な電話も掛かってくるし。

ちょっと脱線しますが、お姉さんのトリッシュ、色気があって良いです。ジーナ・フィリップス。2001年の映画なので、当時30歳くらい?設定は大学生のようなので、ちょっと老けてるかなって感じもしましたが、あまり気にならなかったな。あんな姉がほしい。姉弟が仲が良いのもよかった。

さらに脱線すると、好きなゲームで《タクティクスオウガ》というシミュレーションRPGがありまして、主人公がデニム、そしてその姉がカチュアといいまして、この映画と同じ姉弟設定なのですが、このダニーとトリッシュと似てます、ちょっとだけ。思い出したので書きました。やや薄めの正義感をかざす弟と現実的な姉の組み合わせ。

ちょっと面白かったのは、弟ダニーがパイプに入ろうとするとき、姉トリッシュが「ホラー映画では必ず1人バカがいて 観る人全員がウンザリする」ていうメタ的なセリフ。

・あるある
ダニーが地下に落ちてしまって、トリッシュが外にいるシーン。観てる側は、あの男がいつ戻ってくるかソワソワしている。そこで、パイプの中から外を映す画(え)。この映し方は結構ドキドキしますね。トリッシュの背後に男が来るんじゃないかと身構えてしまいました。結果的には男は来ませんでした。

もう一つ。
同じシーン。トリッシュが外で待っていると、向こうから車がやってくる。画的には奥にはピントがあっていないので、ヘッドライトが近づいてくるのだけが分かる。どう見ても男が戻ってきた、と思わせるシーン。みんな「トリッシュ逃げてー」となったと思います。ですが、結果的には男ではありませんでした。案の定、車のエンジンも掛からないし。


・後半
そして後半。ダイナーで警察と話し廃教会に向かいます。

これまたあるあるですが、
《警官と合流できても、ほぼ警官は死ぬので安心してはいけない》この法則は間違いないですね。

警官と合流できるととても安心しますよね。なにせ正義や権威の象徴ですから(たまに、悪徳警官や警官に信じてもらえなくてヤキモキする展開もありますが。今回も少し信じてもらえない)。でも残念ながらその安心はつかの間、ホラー映画には抑揚がつきもので、その後ほぼ警官は死に、結局敵と向き合わねばならない。この映画も例外ではありません。

で、冒頭にも書きましたが、突如クリーパーがパトカーの屋根に現れて「あ、そっち」となります。

ベロチュー、「あ、頭しまうの忘れてた」、ショットガンババアを経て、後半のハイライトの1つへ。

クリーパーと対峙する姉弟。このあたりから恐怖の描き方が180度変わります。得体のしれないものに対する恐怖から、モンスター(悪魔)に対する恐怖へと。もはや西部劇的。

笑って良いシーンだと思いますが、クリーパーが2度車をかわす、しかもかわし方がすごい。上手く文字にできませんが、車の屋根を走るようにかわします。そしてなぜか3度目はかわせずにハネられてしまう。あれはなぜ?笑

そして、その後トリッシュが車で踏みまくり。勝負ありです。その後保安官事務所へ移りまして「あ、これで終わりかー」と思いましたら、まだ終わってませんでした。そういえば、ダイナーの変な電話の伏線も回収してなかった。

そこからは割愛します。唯一書いておきたいのが、弟ダニーを助けようとする姉トリッシュ。中々良かったです。


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続編もアマゾン・プライムで観れるっぽいですが、ま時間があれば観ようかな。
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