プライ

クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛(キンポコ)の勇者のプライのレビュー・感想・評価

2.8
何でもアリなSFファンタジー。平時のクレしん界から異世界へ移行するシームレスの加減は、初期のクレしん映画を担っていた本郷監督の手腕が光る。キャラや世界観のデザインも初期作品のワクワク度を彷彿させ、クレしんとファンタジーの相性の良さが伺える。また、時間と空間を支配する敵の強さが冒険感を与えている。敵の名前や専門用語のネーミングセンスも初期らしく良い語呂。

しかし、難点も多い。敵も味方も共通で、無から何でも創造するため、能力の強さのレベルが不明。そのため、バトルシーンでは創造した能力の有利不利がコチラには分からない。技名は良いけれど。
異世界が侵略する描写ついて、ルールや侵略の形跡が多すぎてゴチャる。加えて、電車マナー等の社会問題も乗っかりゴチャる。さらに、ギャグもストーリーの流れに繋がりがない不要なギャグ(みさえがひまわり語を逐一翻訳する等)が多くてゴチャる。情報過多。クリストファー・ノーラン作品を観ているかのようだった。だが、ノーランの作品とは違い、テーマに一貫性がない。情報の交通整理が出来るコンディションの時に観ることを推奨する。


⭐評価
脚本・ストーリー:⭐⭐
演出・映像   :⭐⭐⭐
登場人物・演技 :⭐⭐⭐
設定・世界観  :⭐⭐⭐
星の総数    :計11個
プライ

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