冒頭、インディアンが英語を話す以外は実際にあったこと的なナレーションが入る。真面目と思ったけど、どうもシャイアン族が白人と調和を結んで去っていく歴史は事実でもお話はフィクションらしい。その様子をシャイアン族と交流をもった白人の主人公目線で描く。脚本がデルマー・デイヴィスなので「折れた矢」みたいな話。
まあ変な映画で、好戦的で敵対しているシャイアン族に囲まれた主人公が櫛を取り出し髪を梳かし始めた時には唖然としてしまう。何をしてるんだこいつは！主人公はピカピカのベストのせいでギャンブラーと間違えられがちな測量技師で、これは相当キザな奴ですよ。実際、白人娘とシャイアン娘の両手に花状態だよ。シャイアン娘は族長の娘で、主にその兄と主人公が友情を結ぶことになるのだけど。
ロバート・D・ウェッブは「十二哩の暗礁の下に」「誇り高き男」「優しく愛して」といった若手俳優の映画の監督で、どれもとても気恥ずかしい印象なのだけど、にも関わらず嫌いになれない映画なのよ。前述の髪を梳かすのもだけど、白人はお礼にキスするんでしょとキスをねだるシャイアン娘の気恥ずかしさよ。悔しいけれど可愛いじゃないか！
去りゆくシャイアン族の哀しさは前代未聞の最終決戦を迎える。年寄り（族長）よりも若者の方が時代に取り残されるのが哀しい。本作における銃の扱いは西部劇らしくなく、それでいて西部劇の宿命である銃からやっぱり逃れられない。
主演はロバート・ワグナー。若くて髪がツヤツヤで体が薄くてピカピカの美男子で、誰がこんなやつの西部劇を見たいというのだ、それは私です。
族長の息子はジェフリー・ハンター。もちろん原住民の扮装で苦悩する姿が良い。セクシー。ワグナーと共演すると準主役になってしまうのが残念なのだけど。
その妹役は美女デブラ・パジェット。「折れた矢」と同じ白人に惚れる原住民娘役だけど、あちらは小汚い格好だったのにこちらはツルツルピカピカの美女！髪はツヤツヤだわ、裸に毛皮をかけただけで押しかけ女房してくるわ。
それぞれ上記ウェッブ監督作に分散して出演してる。
その他若手シャイアン族にヒュー・オブライエン（役名はアメリカの馬）、騎兵隊の隊長にジョン・ランド。白人娘はヴァージニア・リース。