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ロアン・リンユィ/阮玲玉のyuccaのレビュー・感想・評価

ロアン・リンユィ/阮玲玉(1991年製作の映画)
3.5
映像は良かったけど、結局阮玲玉という人がどういう人だったのかよくわからなかったので、いろいろ読んでみた。

結局のところ、映画自体が「わからないからわからないなりに、どんな人でどんな人生だったか描いてみよう」ということみたいで、だからこそ、この劇映画と役者・制作者のドキュメンタリーが混ぜこぜになった作りなんだろう。

ちなみに「人の言葉は恐ろしい」という、社会を責めて、唐季珊に謝罪している遺書は唐の偽造で、本物の遺書では張達民のクズっぷりと唐季珊のDV好色クソ野郎っぷりが責められているっていう。(その一部は映画にも出てくるから、遺書も各種混ぜこぜにしているみたい)

唐季珊は、映画みたいに平手打ち2発どころか、もっと派手に阮玲玉に暴力をふるっていて、さらには当時もう別に本命の女がいて、それがバレたくないために遺書を偽造するクソっぷりだったけど、阮玲玉の母親と養女の援助だけはちゃんとしたらしい。
しかしジジイになっても病的な女遊びはやまず、そのうち事業がこけ、女には捨てられ、最期は路上でのたれ死んだそうな。

阮玲玉は1930年代に若くして亡くなってしまったけど、中国映画界はこの後60〜70年代に文化大革命でとんでもないことになり、大勢の関係者が政府に殺され(蔡楚生監督も文革中に迫害されて亡くなってる)、反対に毛沢東の嫁になり、その後死刑判決を受けて自殺する役者がいたりと題材としてめちゃくちゃ面白そうなんだけど、まぁ映画化なんかは無理に決まってて勿体ない。
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