似太郎

カミュなんて知らないの似太郎のレビュー・感想・評価

カミュなんて知らない(2005年製作の映画)
3.4
【製作費をドブに捨てた💸】

ここ最近、柳町光男さんもハスミンや現代思想の洗礼を受けてどんどん迷宮に入ってきた。所謂、ユーロスペースとか映画美学校とかで上映する類の典型的なインディーズ邦画。

全編に渡り黒沢清の『ドレミファ娘の血は騒ぐ』をオジン臭くしたような雰囲気がある。これは明らかにオヤジ(中年男性)のセンス。相当やってる事が時代遅れな映画。

なんとなくフーコーとかデリダとか、あの辺の理論で武装してるようにも見えるがとにかくスノビッシュであざといの一言。名作『十九歳の地図』や『さらば愛しき大地』の監督とは思えない稚拙さ&独善ぶりには吐き気を覚える。

過去の映画的引用の多さ(ニコラス・レイがどったらこったら言う大学教授まで出てくる)と比例して、ド素人の役者の薄っぺらさと画面の小汚さがそれらを物語る。まあ、所詮シネフィルなんてこういう薄っぺらい思考回路の人達ばかりなんだろうと観ていて呆れるばかりである。

柳町光男の誇大妄想ぶりと比べれば黒沢清の方が遥かに職人的なセンスがあり、少なくとも失望はしない。もはや猿芝居もいいとこ。貴重な時間を返せ!💢
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