シシオリシンシ

ミニパトのシシオリシンシのレビュー・感想・評価

ミニパト(2001年製作の映画)
3.8
パトレイバーという作品の偏執的なまでのこだわりやメタを交えた裏設定を紙人形アニメーションとコミカルな語り口で映像化した全三話の短編集。

併映作の「WXIII」のシナリオがパトらしからぬ異色作であった反動か、脚本のテイストはTVシリーズやOVAの押井守回らしさが極まった純度の高いパトシリーズになっている。この二本立てはパトレイバーの劇場作品としてのバランスをとるなら納得のいく戦略ではあるが、いやはやこの二作の作風とテンションの落差に当時の観客は着いていけたのかどうか気になるところだ。
(なお劇場公開時は三話のうち一話のシャッフル上映だったらしい、えげつない…)

座組も脚本が押井守、音楽が川井憲次とお馴染みのパトチームに加え、監督が当時新人の神山健治と今思うとそうそうたる顔ぶれに驚かされるが、この豪華な座組でやることが紙人形でのアニメーションなのは真に驚きまた笑える点だろう。
(ただファンとしてはこの座組での長尺パトを観てみたかった、と思ってしまう)
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