「いつでも夢を いつでも夢を」
歌子(吉永小百合)は箸が転げても可笑しな年頃で寅さんのバターギャグにお友達と一緒にゴロゴロ全身で転がりながら爆笑してる。旅先の寅さんはユーモアも冴えていて財布が空になろうとも気っ風よく金を差し出し思い遣りの言葉を忘れない「どうせろくな給料もらってないんだろ?」は余計だがw
父親と恋人の間で悩む歌子はとらや一家に癒され励まされ新しい一歩を踏み出す。博のやけに歌子の背中を押す満点の台詞の応酬◎こんな家族誇らしいだろう。「寅さんに会えて良かった」歌子は何度も何度も口にするのであった。
「ほら見なよ、あんな雲になりてえんだよ。」星よりひそかに海よりやさしく…切ない胸に青い空が沁みていく。奮闘努力の甲斐もなく今日も涙の日が落ちる。終
◉9◉マドンナ:高見歌子(吉永小百合)◉石川福井愛知◉1972◉夏