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父と暮せばのlagのレビュー・感想・評価

父と暮せば(2004年製作の映画)
4.0
フラッシュのマグネシウムも雷鳴も。一万二千度という太陽ふたつ分の火の玉を同じ人間の六百メートル頭の上に。音速を超える爆風で街中の割れたガラスが飛んで来て針鼠にされる。高熱で瓶はホルンのように曲がり時計の針の影が焼き付き地蔵の顔も火傷。自分だけが不自然に生き残ったが死ぬ勇気もないからせめて静かに細々と。最後の親孝行だからじゃんけんに勝って早く逃げろさもないと今すぐ死んでやる。そんな惨い別れが何万とあったんだと伝える。

昔話の読み聞かせ。饅頭の意味にこだわる応援団長。自家製の味噌。小学校でつくった星めぐりの歌。鐘が鳴って奥へ引く。ゆっくり寄っていき食い入る。仏頂面で感情に乏しい図書館客の浅野忠信。入魂の原田芳雄。脚本は池田眞也と黒木和雄で美術は木村威夫。
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