キューブリックであってキューブリックではない作品とは。
ローマ帝国がまだ成立していない時代、奴隷のスパルタカスは自由を夢見て立ち上がる…
スタンリー・キューブリック監督作品。今作はキューブリックが当時カーク・ダグラスから雇われて監督した作品であり、キューブリック自身も作品をコントロールできなかったと言っていた作品であるがまさにその通りで正直キューブリック監督らしさは全く感じられなかった。情緒的で人間の優しさが感じられる作風は冷ややかさえ感じるキューブリックのいつものスタイルとは正反対とさえ言えるだろう。
まあキューブリック監督作品として見なければ歴史大作として見応えがあるとは言えなくもないが、そこまで光ったものもなく当時のハリウッドの流行りに乗って作ったような印象さえ受けたので政治的なイントロダクションだったのだろうか。キューブリック監督が次作"ロリータ"で今作を皮肉ったのも頷ける。
