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薔薇の葬列のchaooonのレビュー・感想・評価

薔薇の葬列(1969年製作の映画)
3.7
1960年代末の新宿のゲイボーイたちを描くアヴァンギャルドな映画🎬
16歳のピーターがスカウトされ、スクリーンデビューとなった作品✨
監督は実験映画等も数多く手掛けた松本俊夫の、こちらは劇映画第1作目とのこと。

大学時代、マニアックなモノを愛する友人が「絶版のレアビデオを手に入れた!美少年ピーターを堪能しようぜ🤩」と鼻息荒げに誘ってきたので、そこまで興味もなかったけど一緒に観た覚え。
映画の内容より、あの日の光り輝く友人の目が忘れられないという、思い出深い作品。
TSUTAYAで再会したので、久々再鑑賞♬

柔らかそうな肌をした、まだあどけない顔立ちのピーターの魅力が画面いっぱいに溢れる❣️
劇中では「ゲイボーイ」とひとまとめに呼ばれてたけど、今で言うトランスジェンダーたちが物語を彩る✨
女性らしいスタイルに着飾ったピーターは実にキュート❣️妖精的🧚‍♀️✨
肌と肌が触れ合うシーンは、実に官能的でアート色も強め✨

当時の猥雑な新宿の雰囲気がまた独特で、アングラの空気ってやつを感じましたわ〜🌀

物語の合間に出演者へのインタビューが挟まれたり、撮影シーンを俯瞰から写してみたり、不思議な構造の映画だなぁ🎬
トイレのシーンの後に「映倫」ってデカデカと出たり、サブリミナル的にアート描写が入って来たり。
こちらは実験映画ではなく、一応劇映画って部類らしいけど、充分尖っていらっしゃる。

早回しのシーンで少しコミカルにクラシック音楽が流れる感じが『時計じかけのオレンジ』のオマージュか?と思ったら、なんとこっちの方が先。
逆にこれにキューブリックが影響を受けた、なんて説もあるらしいけど、どうなんでしょうね〜🍊

ゲイボーイたちを描きつつ、その内面とか生き方を描いているというわけでもなく、物語の主軸は男女逆転オイディプス王なストーリー。
ラストはオイディプスの物語知ってないと、全く意味不明で伝わらない展開。
今作の2年前に公開されたイタリア映画『アポロンの地獄』をベースに作られた映画なんだとか。
敢えてアポロンを…って言うのは意味がありそうで、観てみたくなったなぁ😋
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