日本でLGBTQ映画といえばコレ!というくらい有名な一作。松本俊夫監督の初長編映画であり、当時はまだ16歳の池畑慎之介(ピーター)のデビュー作です。イギリス版のBDで鑑賞。
ボクは雰囲気だけの前衛映画は大嫌いなのですが、これは良かった。最初から前衛映画だと割り切って観たのがよかったのかもストーリーには最初っから期待せずにすみますから。
テーマは逆エディプス。男の娘の母殺し。ストーリーはエディ(ピーター)がオーナー権田(土屋嘉男)と共謀してオカマバーのママを追い出す話。エディプスだからエディね。
本作は「美しさ」と「可笑しさ」、そして「ドキュメンタリー」と「フィクション」が同居しているのが面白いです。
まず、「美しさ」と「可笑しさ」。冒頭のベットシーンがまず美しいです。ライトが強めに当たってピーターの肌の白さが際立つ。美しい!「可笑しさ」は普通に笑えるシーンが少し出てきます。実際に見てほしいので具体例は出しませんが。割合的には美しさ1:可笑しさ1:前衛1って感じ。美しさは全てピーターがもってく。
次に「ドキュメンタリー」と「フィクション」。実際の映画作りがメタな感じで入ってきたり、オカマバーのママは本当のオカマバーのママだったりします。一応ストーリーはあるのですが、虚構と現実が入り混じっているために、何が本当なのかがよくわからなくなってきます。
じゃあ、結局は何が言いたい映画なのか?これはよくわかりませんでした。わからないけど、面白いからいっか。そんな感じの映画。あと、ピーターの素顔が見れるのは貴重。化粧ってすごい。