サガン

マイ・マザーのサガンのレビュー・感想・評価

マイ・マザー(2009年製作の映画)
4.0
◆母を愛せないが愛さないこともできない◆
グザヴィエ・ドランの半自伝的作品。
19歳の処女作にして監督&脚本&主演
初めて観たときはセンスの良さに驚いたけど、愛憎の激しさにヒリヒリが止まらず。

再見するとデビュー作で既に彼の世界観が仕上がっているな〜と。
座り心地の悪い椅子でそわそわするような
居場所を探しているような
息がしにくくて落ち着かない感じ
これはきっと
・カナダでありながらフランス語圏のモントリオールで育ったこと
・ドラン自身ゲイであること
とかが関係しているのだろうが、その寄る辺なさがティーンエイジャーの心情とぴったり重なってエモさが迸った。

「芸術家の才能25歳まで説」があるけど、これはまさに19歳のドランの才能がきらめいた作品だった。

「あなたは海底の魚
盲目で光り輝いてる」
って先生の言葉も素敵でした。

母親への愛は無意識であり
親離れのとき 初めて
その根の深さを知る/モーパッサン
サガン

サガン