マイ・マザーの作品情報・感想・評価

マイ・マザー2009年製作の映画)

J'ai tué ma mère/I Killed My Mother

上映日:2013年12月14日

製作国:

上映時間:100分

3.8

あらすじ

「マイ・マザー」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

やっぱりグザビェ・ドラン良かった。
17歳のユベールの心理状態が、痛いほど伝わってきた。母親が鬱陶しくてウザくて何もかもが嫌いで勘にさわる……指図でもされようものならはらわたが煮えくりかえるくらいムカつく……けれど、心の奥底では母のことが好きだ、子供の時と同じように。矛盾した想いを抱えながら苦しむユベール……しかしついに母を殺す時がやって来る。ウェディングドレスを着た母が息子の手を振りほどくシーンがあまりにも象徴的だった。
とは言え、殺される母の方もとても辛そうだった。本当は別の面も良い面もあるはずだけど、今回はあくまでもユベール目線から憎悪の対象である母として描かれていた。……ずっと張りつめた緊張感があったけど、ラストはああもうお互い疲れちゃったねって感じ。少しホッとした。

これがドランの原点。センスあふれる映像美と音楽も素晴らしく、これ以後の作品はさらに洗練されたものになっていくと思うと感慨深い。
原題「僕は母を殺した」
ストーリー性はあまりない。
母と僕がぶつかったり、抱き合ったり。

話さなきゃわからない。
聞こうとしてくれなかった。
こないだと言ってることが違う。

友達だったら、
恋人だったら、
こんなことでイライラしない。

母親だから、
息子だから、
こんなことでイライラする。
それでも愛し合うことができる。
母親だから。息子だから。

ウエディングドレスのシーンが、
二人の関係性を物語っているように思う。
しゃび

しゃびの感想・評価

2.0
グザヴィエ・ドラン の映画は本作以外観たことがなくて、本作は2度目の視聴。

19歳という若さで監督・脚本・主演をつとめ、世界的に評価を得る。これは映画界としては、なかなかに異例の事態。

1度目を観た時に、正直なところあまり良い作品とは思えず、ドラン作品からは離れていた。
しかし、何か心に引っかかるところがあり、再度視聴。

「母親への愛は無意識であり、親離れの時に初めてその根の深さを知る」

冒頭のモーパッサンの引用が全てなのだろう。

親も人間である。ご飯の食べ方が汚かったり、言われたことを忘れてしまうかもしれない。それでも、子供への愛の大きさは計り知れない。

しかし思春期の青年の目に映るのは、母親の愛ではなくセンスの悪い洋服や家具であり、対象的な他人の親のあっけらかんとした明るい会話が眩しく映る。それは親離れをする前の儀式のようなものだ。

描かれているのは一貫して多感な年頃の青年の感情と、そんな時期の母と子の関係である。

この映画は「対話」の映画だ。
母と子、先生と生徒、同性愛者の恋人と恋人。
画面で展開される光景は、そのほとんどが1対1、もしくはそこにもう1人加わった3人での会話のシーンである。その関係性を指し示すように、空間を意識させるぶつ切りのカット割りと、ロングショット長回しを使い分ける。

語られるテーマ・表現方法は一貫しており、若手監督特有の欲張った映画にもなっていない。


しかしその反面、面白さも特にない。
映像が常に意味付与的であり、意図は明確だが刺さるものが少ない。そして感情も画面を通してあまり伝わってこない。その無機質な感じがアーティスティックなのかもしれないが、表現方法としてもそれほど新しいと感じるものはない。

結論としては、1度目に観た時とそれほど印象は変わらなかった。

うーん。。。
私が分かっていないだけなのかも…
他の作品も観てみよう。感じる事が出来なかった魅力を発見できるかもしれない。


ネタバレ↓

母親が来年度も寄宿学校に自分を入れる気だと知り、怒り狂うユベール。そこら中のものを投げ散らかしていると、ふと挿入される映像。聖職者の姿をした母が血の涙を流している。次の瞬間、ユベールは散らかした物を急いで片付け始める。

こういった挿入にどうしても薄ら寒さを感じてしまう。何とも直接的すぎる説明…分かりやすく伝えるのは大切なことだが、そのまま母に聖職者の格好をさせてしまうのはどうなんだろう。

そう感じてしまう時点でドランを楽しむ有資格者ではないのだろうか…
XTC

XTCの感想・評価

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2018.11.13 3度目?
やっぱり最後まで見ちゃう。
今回、発見したこと。母子の関係が束の間、蜜月になると、青空を背景とした、車の通りの少ない通りを乗り物で疾走すること。『マミー』における「ワンダーウォール」をバックに流してスケボーに乗るシーンとの共通性。セクシュアリティは言うまでもなく、階級、都市と地方などへの関心も少々あり。
momoka

momokaの感想・評価

3.7
そうかそうか。彼は19のときにこの作品を作ったのか。
センスが研ぎ澄まされすぎている…
原題の名前がすごく好きだけれど、邦題ではそのままにできない理由もちょっとわかる。にしても、語りから始まるの大好きよね
movie

movieの感想・評価

4.5
思春期の親と子の関係を全てさらけ出してるような映画。見ていて共感できることがたくさんあった。
lee

leeの感想・評価

3.3
デビュー作から個性爆発のドラン処女作です。ギスギスした母と息子の関係は正直観ていて楽しくはない。それでも、青臭さが残るドランが撮った本作は、家庭内や環境の変化など、描かれるシーンのどれかが心の奥に刺さります。少年がワガママを言えるのも、叱ってくれる母がいるからでしょう。時折入るアートも遊び心があって好きです。
究極マザーコンプレックスの話。絶対的な愛を求めてしまうが故の憎しみ…なんとも切ない話であった。
ただ正直感情移入はしづらく、もどかしい気持ちになってしまった場面がいくつもあったため、自分としてはあまり評価は高くない。

それでもグザヴィエ・ドラン特有の映像美は本当に素晴らしく。常に芸術作品を見ている気持ちになってしまう。

先生役のスザンヌ・クレマンはきっとドランのお気に入りなのだろうが、今作品の役が最も素晴らしかったと思う。
b

bの感想・評価

3.5
子供の頃はあれほど仲が良かったのに大きくなるほど環境が変わって考え方も変わって段々全てが気に食わないようになる
自分から手を差し伸べてるようで一瞬の隙間から取り逃がしてしまう、そんな関係は間違いなく私と母の関係でもあるなと思った
所々散りばめてある詩や絵の芸術が美しい

このレビューはネタバレを含みます

ドラン自身の家族関係を匂わせる映画だった。
過干渉な母親を嫌い、殺したいとまで願うものの、やはり最後は母親の愛情に触れて嫌うことも殺すこともできなかったのが、
ドラン自身が抱える母親に対する淡い期待のように感じた。
映像と音楽が素晴らしく美しかった。
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