『マイ・マザー』(2009)
原題:J'ai tue ma mere
カナダ・ケベック州の町に暮らす17歳のユベールは、口やかましく、趣味の悪い母親がどうしても受け入れられずにいた。幼い頃は大好きだった母親への憎しみは募るばかりで、自分でもどうしようもない苛立ちにさいなまれる。そんなある日、ユベールは川沿いで夕日の下にたたずむ母親の姿を偶然目撃し……。(映画.comより引用)
ユベールの中で、好きだった母親は小さい頃で完全に止まっていて、以降は別人だと考えて生活している節が見えた時に、なんだかとてつもなく悲しさに襲われたし、母親よりもユベールの方が躁状態に見えた(ドラッグの話が見えたがそれ以前に)
その穴を埋めるような恋愛観を持っているのも、一つの人生としてアリなんだろうが、後半に描かれる破壊衝動を考えると、彼の幸せにはならないように感じる。
母親は確かにアブノーマルだが、結局は母親なりの愛であり、それを受け取る先がいないだけの関係だったと思った。途中のウエディング姿もその比喩の裏付けかな。
直接的に表現されていないし確定ではないがアウティングの表現も暗に示されているので、それが判明した時の"あっち"の母親の反応はリアルすぎてゾッとまでした。
2024-180