初めてMommyで衝撃を受けてから
私の心を魅了し続けている
グザヴィエ・ドランの初監督作品。
「私は母を殺した」
その印象的な一言の裏には
愛があり
憎しみがあり
葛藤がある。
母親との関係に悩む10代の青年ユベールの激しい心の内が、芸術的なタッチで語られていきます。
何と言ってもドラン監督/主演の存在感が凄まじい!
当時の彼は私と同じ歳。
10代ならではの言葉にできない気持ちを美しく表現してしまう、そんな感性の鋭さに思わず感激のため息が出ました。
「愛の反対は無関心」とも言うし
憎んでも愛してても、ユベールがあれだけ母親のことを想っていることに意味がある気がする。
思い出に心を馳せながらも
手探りで家族との関係性を見出そうとしているところに
少なからず共感できる場面もありました。
特にユベールが怒り部屋をぐちゃぐちゃにしていく場面。初めはスローモーションで描かれ、葛藤のすえ全てを元に戻す様が早回しで進められていく。ドランの芸術的センスが光るシーンだったように思います。
そしてなぜか先日観たタイタニックのディカプリオが話題に出てきたり、 部屋にリヴァー・フェニックスのポスターがあったりと妙に個人的な運命を感じたりも(笑)
新しい切り口で親子について考えさせる、新鮮で芸術的な物語でした。