このレビューはネタバレを含みます
素晴らしいぜグザヴィエドラン…
構図がバッチバチに決まっているし、説明描写を削ぎ落としながら必要なものは残している。(冒頭の食事シーンなど痛快。)FIXが多いのは安易な共感を防ぐためか。テンポもこういう類の映画にしては驚くほど軽快。100分がすぐ過ぎる。
母子の関係性とは普遍的なテーマで、同性愛や母子家庭という要素が足されても見る者の多くは自分に重ねる部分もあったのではないか。「ジュテーム」という言葉は呪いであり、母親は家族でありながら他人であるというのを理解するのには時間がかかる。最終的には言葉にできない、ノスタルジーや愛やなんやらが鑑賞後の胸に去来する。映画を観るとはこういう体験なのだ。
素晴らしい監督。出会えてよかった。