裏窓のhebのネタバレレビュー・内容・結末

軽快な音楽に載せてゆっくりとブラインドがあがってゆく、文字通りの開幕。
今作の舞台である主人公の部屋と、その窓から見える景色をツアーする様なオープニングのカメラの動きだけで心が躍ります。
窓から見える細かな情報を積み重ねながらとある事件に取り憑かれていく主人公の視点は、映画を見ている視聴者とまさにリアルタイムに同期するもので、否が応にも引き込まれてしまう構造です。
動けない主人公の世話をする看護師さんや微妙な関係にあるヒロインとのやり取りも、いちいちお洒落でユーモアに溢れていて飽きさせません。

物語は中盤以降一気に展開にドライブがかかり、ラストに向けて最大の盛り上がりを見せるのですが…
自分にはこのオチは何か中途半端で煮え切らない。普通に捉えれば事件は本当に起こっていて犯人は逮捕されたという事なんでしょうが、それにしては描写が曖昧で釈然としない事が多い。
ラストカットの2人の様子はとても好きなだけに、どうもモヤモヤしたものが残ってしまいました。