なつき

裏窓のなつきのレビュー・感想・評価

裏窓(1954年製作の映画)
4.5
初・ヒッチコック作品

正直見終わった後は頭にモヤがかかったような気がして、すっきりしなかった。
でも細かな場面や登場人物の表情とかをひとつずつ思い出して、考えて自分なりに解釈しようとする、「この映画について考える時間」ができたの。記憶に残るってこういうことか。
ぼーっと見て「あー面白かった」で終わる映画とは訳が違う。

そしてやっぱり注目してしまうのが、グレースケリーの美貌よね。
グレースケリーとそのファッションみたさに今夜の映画を選んだんだもの。
現代に見ても全く衰えない。髪の毛ツヤツヤだったなー
恋する乙女の目してた。彼の意識がどこにあろうとリザの目線はジェフに釘付け。
こんな美女に愛されてるっていうのに窓の外ばっかり気にするガンコ男ったらもう🤷‍♀️

そしてそして、常に主人公と同じ目線で物語が進んでいくのが、すごく臨場感あって面白かった。彼らの表情とか声色の演技あってこそなんだろうな。
2度目の電話の恐怖に怯えた顔には私も手に汗握ったし、ドイルに電話してる時の信じ切って焦燥しきった頑固な感じは、私から見て、ああ、もう後戻りできないぞ、ばかああってみてた笑
あとは、肉眼で見た時の景色、双眼鏡、カメラと視線の動きや範囲もめっちゃリアルだった
あーー面白かった!!!

⚠️以下、私なりの解釈⚠️
結論、男は実際には殺人を犯していなかったのではないか。と思いました。笑
ただ、味方や登場人物それぞれの視点によっては犯したようにも捉えられる。
なんなら、殺人犯だ、と信じて疑わない人にとっては全ての言動がそう聞こえる。
例えば、帽子箱、ここに隠れるのにちょうどいい大きさの体の一部といえば、頭。信じた人が聞けば、ハッとする気持ちもわかるかも。
ラストの男の部屋の壁を塗り直しているシーンや、令状の用意ができた、といったシーンだけ見ると、確かに殺人が起こったように見える。
でも、私はやっぱりジェフのはやとちりだったんじゃないかって思います。
・まずは犬が奥さんのバラバラ死体を掘り返してるんじゃないか、という推理。
→あの部屋でああやってずっと観察しているのに、男が何kを花壇に埋めるという怪しすぎる行動を見逃すとは思えない。
・指輪や宝石について
→奥さんと喧嘩して離婚したとか?それなら指輪をはめていないのは納得、奥さんを駅まで送った、ていうのは確かにちょっとわからないけど、部屋から出て行った奥さんの全ての荷物を送りつける、というなら、あのバカでかい荷物も納得。
・ラスト、男に送られた逮捕礼状
→男がジェフを襲って殺人未遂を犯したのは目撃多数の現行犯で明らか。奥さん殺しに対しての令状とは言ってないし、これなら説明つくのでは。
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