harunoma

自由、夜のharunomaのレビュー・感想・評価

自由、夜(1983年製作の映画)
5.0
自由、夜
Liberté, la nuit

その峻烈にはためく風のありかに、白いシーツに、ミシンに、灰色の路地に、夜に、世界の声は、見つめ合う二人の、そしてひとりの、眸の微動のふるえの前では、自由と呼ぶ空域を映画は山のように包みいでる。白い真珠母雲、いわゆる成層圏の映画(熱圏)。それにしても身体は生命にあふれている。

『ジェリー』『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』『悪魔のいけにえ』『ラブレス』『断絶』『Helpless』


二つの世界が出会い、別れ、既知の平面と未知の平面の二つの平面が交わる 有限な人間に、かせられた応答真実。
「待ちつつ、急ぎつつある者」へ

ガレルは息をするように映画を撮ると言われるが、そう、
ここには呼吸がある その大地はひとが立てる場所としてあり
はためく風、白の存在、夜の顔、顔。

それを通じて、それ以前を、
つねに私は撮るんです。
フィリップ・ギャレルは

フィリップ・ガレルは、逆に、私は編集ラッシュのように見せたいって言うんです、自分の映画を。だから、その露出をいじったりするわけです、あの人は。『自由、夜』ぐらいまでですけど。露出がばーっと飛んじゃったり。偶然だったのかなって、そうじゃない、自分でやってんだ、こうやって、わざと。そのことによってフィルムのマテリアルを全景化させて、映ってるもの、世界に没入しないことによって、別の現実を、リアリティを提出しようとするみたいなことをやってたと思うんですよね。 NS
harunoma

harunoma