バティニョールおじさんの心の変化を上手く表現した作品ですね
観た感じやっかいな事に関わりたくないような
ただの肉屋のおっちゃんです
そんなおっちゃんが妻と娘がいるにもかかわらず
シモンとシモンのいとこ姉妹をスイスに逃がしてやる
もしかしたらこれがバティニョールにとっての贖罪だったのかもしれません
娘の恋人のせいでシモンは収容所送りにされ家族から離散されたのですから
でももしそう思ったとしても彼の責任ではない
彼がドイツに密告したわけではないですから
だからなおさらこの行動をとったバティニョールの勇気はすばらしいなあと感じました
そしてバティニョール持っているユーモラスさが重くなりがちな亡命という題材をとても軽くしてくれています
シモンとちょこちょこ喧嘩したり、演技みたいなのをするんですがそれが何とも愛らしいです
おっちゃん、常にドタバタです
それでもめげないおっちゃんです
これを観ると結構当時のフランスはドイツのいいなりになってたんだなあという事がわかります
もう植民地状態ですね
ほんとはもう少し書きたいのですが、政治的な事を書くとヤバそうだからやめときます
そんなナチス占領下のフランスという国をバティニョールを通して、フランスへの風刺も込められているような気がしなくもなかったです
観始めるとあっという間に終わったなあ
という印象です
ラストはフランス映画らしいかな
戦時下の映画ではありますが
肩をはらずに軽い気持ちで
観れる映画だと思います
重い内容にしなくても、心は震わせれる
これも彼の個性でしょうね
素晴らしい、いい映画でした