富樫鉄火

ドラキュラの富樫鉄火のレビュー・感想・評価

ドラキュラ(1992年製作の映画)
3.0
#145 ポーランド映画祭@写美
音楽がポーランドの巨匠、ヴォイチェフ・キラルということで上映。
いまでは少なくなった、フルオーケストラによるシンフォニックな音楽が、休みなく、べったり付いている。
そして、そんな音楽と同様、画面もあまりに饒舌で、観客の視点が一定せず、散漫な映画になってしまった。
原作に忠実に描こうとしたのはわかるのだが、ストーカーの原作は、純粋な「小説」ではなく、手紙、日記、電文、記録などの即物的な文書だけで構成されており、それに引きずられすぎたと思う。
現に、追跡アクション劇になるラスト30分は、比較的、集中して見られた。
しかし、観ていると、ブラッティ『エクソシスト』や、キング『呪われた町』などは、明らかにこのストーカー原作から生まれたことがわかり、いかに偉大な読み物かを、あらためて痛感した。
ウィノナ・ライダーの美しさには、ため息が出る。
富樫鉄火

富樫鉄火