michiko

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国のmichikoのレビュー・感想・評価

2.5
前作から19年ぶりのシリーズ4作目。熱烈なファン達の期待に溢れた本作は、第29回ラジー賞の「最低リメイク及び続編賞」を見事受賞してしまう。

その理由は明白であり、これまでの過去作を追って来た人なら誰でも思うだろう。これまで様々な遺跡・遺物の未知のパワーを描きながらもリアルと虚構の境界線を何となくぼやかして上手く渡り歩いて来た本シリーズ。それが本作では一つの結論を描いてしまい、らしく無いカラーが出てしまった。
また個人的に残念なのは、致し方ないのだがハリソン・フォードとカレン・アレンの衰えである。『ジュラシック・ワールド』シリーズでも感じたが、自分の思い出の中のヒーローや美しいヒロインの新たなストーリーは観てみたい気持ちもあるが、歳をとった彼らを観たい訳ではない。歳をとるのならそれ相応のキャラクターのポジション変更が必要であり、過去作と同じ事をやらせては見劣りがしてしまうのは致し方ない。特に男性目線としては、男性は渋くはなるが女性は何だろうか。優雅さ、知的さ、成熟した様だろうか。やはりそういったものが感じられるキャラクターで無いと見た目の老いに負けてしまうと言ったら怒られるだろうか。ただ、本シリーズのシニカルな笑いが不足していると感じていたところにカレン・アレンが登場し、ああコレコレ、と嬉しくなったのは狙い通りなのだろう。

アクションとしてはアイデアが溢れて魅力的な部分も多かった。ジープでのチェイスシーンは猿との共演という少々無茶な部分もあったが、次々と変わる展開にワクワクしたし、シリーズ恒例の虫の気持ち悪さも舞台となる自然の脅威として巧く活きていた。

シリーズの中での評価としては上位では無かったが、これまでしっかり観ていなかった本シリーズへの思い入れは深まり、最新作の『運命のダイヤル』への期待が高まる。
michiko

michiko