小原ブラス

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国の小原ブラスのレビュー・感想・評価

3.2
シリーズ第4作目。
評判ほど悪くはないが、過去作と比べると展開が想定通りで少し見劣りするのは確か。

米軍車両に「レースしようよ」と持ちかける若者、若者の挑発に乗って速度を上げてしまう米軍車両運転手。そんなシーンから始まるが、結果的にあれは米軍ではなくソ連スパイ軍。あのレースでアメリカ人とソ連人が競い合っている訳だ。1950年代の冷戦を表現しているものと思われるが、スピルバーグ監督お得意の分かる人にだけ分かればいいという表現が沢山あって個人的には好き。

「核爆発を冷蔵庫で生き残れるかよ」とツッコミたくなるだろうが、1950年当時は核兵器の放射線の恐怖や爆発後の影響については一般人にはあまり知らされていない時代。「冷蔵庫に隠れろ」ってのは割と本気で言われていた。そんな無茶な時代をあのようなパロディーで表現しているのかと思うと、そういうのも別に気にはならない。

気になるのは、ソ連人役が1人たりともまともなロシア語を喋れていない点。いやアメリカの映画だしアメリカ人の役者だから仕方ないんだけど、あんな大真面目なアクションシーンで終始ドヤ顔でカタコト間違いだらけのロシア語を聞かされて、気にならない訳がない。

1作目、2作目はど直球のワイルドイケメン冒険家インデジアナジョーンズ。3作目は子供っぽいお茶目なインディアナジョーンズだったが、今作は父親。旅を共にする青年に「周りになんと言われようと好きに生きろ」と熱弁を振るうジョーンズだが、その青年が息子だとわかると「大学へいけ!」と手のひら返し。親ってのは綺麗事ではすまない、責任が伴うからな!

最後のシーン、床に落ちているジョーンズの帽子を拾ってかぶろうとする息子。この帽子はかつて冒険家から「お前は度胸がある」と認められて譲り受けたものだ。それを息子がかぶって終わるかと思いきや、ジョーンズが横から奪って自分でかぶる。「俺はまだ、今作では引退しねーよ。」ということかな。
小原ブラス

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