GON

アリスのGONのレビュー・感想・評価

アリス(1988年製作の映画)
4.5
て、天才や・・・

なんという完成度の高さ・・・

不思議な世界観と奇妙な映像美に心躍らされる85分間。
あらすじは皆さんご存知『不思議の国のアリス』そのまんまで、”アリスがウサギを追いかけて摩訶不思議な世界に迷い込む”という感じです。
主人公であるアリスしか劇中では喋らない為、終始静かなので、子供が鑑賞するのには不向きかも?全編にわたってコマ撮りが用いられ、何処か不気味で、ファンタジックな雰囲気がムンムンと漂っています!

この作品はなんと言っても映像表現が素晴らしい。
実は僕、ファンタジーって映画の中で一番嫌いな部類なんですよ。魔法使えばなんでもありだし、変な呪文唱え出すし、ホントよく分からん…
なのでこの作品もぶっちゃけそこまで期待してなかったんですが、その不安も開始5分である映像を見せつけられて吹っ飛びました。
そう、まさかのコマ撮りです。
どんな撮影技法よりも不気味なやつ。『ターミネーター』のクライマックスでも用いられてトラウマになったあの撮影技法です。それがなんと最初から最後まで続くという。最高ですよ!
そこから馬鹿単純な僕はグイグイ惹き込まれちゃって!
引き出しの取っ手が毎回外れたり、異様なまでに物体にカメラを近付けたり、「次はどんな映像を見せてくれるんだろう」ってワクワクが止まりませんでした(笑)
音も良かったね〜 兎が歯を鳴らす音とか時計を舐める音がクセになるんだよぉ!
そしてアリスがとてつもなく可愛い(*´ェ`*) しかもカメラが超至近距離で写すから、彼女の顔は終始ドアップ。 そんなことされたらもう一生見てられますわ!w

子供の好奇心、そして死への価値観。不思議な映像に魅せられながらもメッセージ性を感じ取れるのがこれまた良い。
僕の中では『ミツバチのささやき』に並ぶ子供映画の大傑作です!
GON

GON