“もう僕を追い掛けないでくれ”
それは正反対の意味に聞こえました。
両親のような夫婦に憧れ、
そして現実を知り、傷付き
折角の才能を犯罪に注いだ
悲しい少年。
大人ぶって他人になりすましていても、
心は埋められない寂しさに震える子供のまま。
金や美しい女性に囲まれても、
自分の築き上げた虚構の中で
孤独に怯えて、FBIの捜査官に
電話する彼は哀れで悲しかった。
両親が仲睦まじくダンスをし、
笑い合っていたあの頃のように
また幸せを取り戻すべく全力で
生きていた彼が目標を失い、
本当はもう捕まって何もかも
終わりにしたいと願っているかの
ようなシーンには胸が詰まりました。
ラストは救いのある終わり方で良かったです。