Mayashico

宗方姉妹のMayashicoのレビュー・感想・評価

宗方姉妹(1950年製作の映画)
4.5
モダンで放埓でふてぶてしくて、なんでもベラベラと言語化してしまう高峰秀子の演技は、『淑女は何を忘れたか』の桑野通子の変奏のようで魅力的。冒頭の余命宣告を経て、列車が通過するショットにおいて画面の下半分を墓石が覆うのを見てしまうと、笠智衆演じる父親は死んでしまうのかもしれないという予感が生まれるけど、まったく別人が死ぬというミスリードをかましてきてきて驚く。バーに突如として出現する山村聰がマジで怖い。黒沢清映画のよう。本作でも雨が降るんだけど、『浮草』や『東京の宿』のように小津映画に降る雨が大好き⋯!高峰秀子の絶叫→木魚の音がフェードインする強烈な省略にしびれた。『東京暮色』みたいな陰鬱な小津は基本的に苦手で、本作も暗い話だっんだけど、縁側での「ホーホケキョ!」みたいなほっこりするシーンもあったからこれは例外的に好き。
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