ギャスパー・ノエによると、「史上初のカニバルムービー」らしいが、どういうわけかそのような描写は見当たらなかった。
しかし素晴らしい。虐げる側だった人間の立場が一瞬にして覆るところから始まる映画で、60年代の映画とは思えない、先鋭さが際立つサバイバル・スリラー。
時代が時代なため、ところどころに稚拙さはあるものの、風刺の効いた良作であることは間違いない。
一方この時代だからこそ撮れた、リアルアニマル大集結の見事なサバイバルアクション描写は必見。
ジャンル作品としてのスリル、ストーリーテリングの完成度、双方で十分満足できる映画。