苦労念婆様

パーフェクトブルーの苦労念婆様のレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.1
素晴らしい作品。デビルサマナーソウルハッカーズ、リンダキューブなどのゲームを通ってきた自分は、この年代のダークでカルトな空気感が大好物。
パプリカのタイムリープホラーであるような同じ場面の繰り返しでパニックを高めてくる感じは、この時点で既に完成していたのだなと。
未麻が狂っていく原因の1つ"女優の避けられない露出や濡れ場"など、まさに現在映画業界を騒がせている問題で、根深い闇に目をつけ、20年以上経った今見ても褪せない共感性や恐怖を持たせたことがよかった。
あとDVDの最後に今氏などのインタビューがついていて、そこで制作に関わった方が「アニメ的になり過ぎないようにした。例えば殴られた人の声は "ぐえっ!" でなく "っ!" だったり…大袈裟にし過ぎないこと。」と言っていたのがよかった。アニメでしかできない表現と妙なリアリティー、生々しさが混ざり合い、この作品の現実と妄想を行き交う世界観を支えているのだなと。
苦労念婆様

苦労念婆様