pikamura

パーフェクトブルーのpikamuraのネタバレレビュー・内容・結末

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

噂に違わぬ快作だった。物語ベースというよりテーマベースの作品だから、「感動した!」みたいなカタルシスがある訳ではないけど、その分、見ながら自分の中に色々な考えや感覚が湧いてくるのが楽しめる。上映終了後に他の人も一斉に「これはこういうことだったのでは」と話し出していて、語りたくなる魅力のある作品なのだろうなと感じた。
自分と関わることで他人が変わり、(複数の)他人と関わることで「自分が思う自分」も「自分の実態」も揺らいだり変わったりしていく…というのは、今監督の根っこのテーマの一つなんだろうか?多くの人がまだ「ネットってなに」状態だっただろう時代に、既にネット上で独り歩きする別の自分の可能性を掘り出していた感性の鋭さは素晴らしいし、現実を盛ったSNSの投稿も大いに一般的となり、また一方でAIによるフェイク動画も思いのままになりつつあるという現在のある種大変"面白い"状況にあって、ご存命だったらどんな作品を作ってくれたのだろうかと思うと、早世されたのが惜しまれてならない。
予算は全然不足していたそうで、特に序盤は絵が崩れ気味だけどご愛嬌…笑
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