きのぴ

パーフェクトブルーのきのぴのレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.5
「あなた、誰なの?」
自分が何者か、何が本当かだんだん分からなくなっていく恐怖、凄まじい。この映画のすごいところは、主人公ミマの中で自己分裂が起きてるだけじゃなくて、ミマに強い感情を向ける周囲の人間の人格やアイデンティティ、さらにミマが出演するドラマ内の架空人物や黎明期のインターネット上に住み着く何者かのあいだで、自己が次々と移り変わり、繰り返し、時に融合することで、観る者にミマと同じ錯乱状態を体験させる点にあると思う。80分とは思えない満足感と疲労感がその証。ミラー越しでの最後の台詞にも鳥肌が立った。
こんな、とんでもない名作に映画館で出会わせてもらって本当にありがたい。
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