衰え知らずのリドスコ爺による、二代目グラディエーターの進撃。前作も相当良かったけど、本作はマクリヌスなるローマン・ドリームの怪物が、物語をさらに面白くしてくれてた気がする。
腐敗した王権の転覆を目論む>>続きを読む
野生生物に対する人間のスタンスを痛烈に批判しながら、パンデミックの際に起こり得る分断を仮想するSF映画。動物化した人々が追跡され銃撃される場面が印象的で、被害が出る前に駆除しようって考え方が本当に正し>>続きを読む
西川監督、善悪で割り切れないキャラクターを生み出す天才かもしれない。医師を装って無免許で医療行為を行ない、村役場から高額なギャラを貰っていたって側面だけを見るともちろん悪人なんだけど、夜な夜な医学書を>>続きを読む
最後のダンスシーンが良すぎたなぁ。台詞のない、絵描き歌のようなミニマルなアニメーションに、ズブズブに泣かされてしまった。ロボットの表情のレパートリーが少ないからこそ、行動から見えてくる大切な人への愛情>>続きを読む
アクションのレベルたっけ〜。刃物やら拳銃やらで威嚇されても拳で全力勝負する中田翔似の刑事、めっちゃかっこよかった。敵役もしっかり残虐で胸糞悪いから勧善懲悪マインド全開で見れるし、クズ男みたいな顔して意>>続きを読む
欲望が入り乱れる宮廷内の人間ドラマ。ランティモス味は控えめながら、登場人物の心情描写にはかなりこだわってるのが分かる。服の下からねっとり浮かんでくる愛憎や欲情が、やがて膨れてそこら中に充満する心地悪さ>>続きを読む
この映画は仕事の教科書にしたいなぁ。仕事に情熱を持てる人のかっこよさ、丁寧に仕事をすることの大切さを教えてくれる。終盤の見直し作業とか、相当な熱量と拘りがないと全員であれだけ取り組めないと思うし、その>>続きを読む
「いっそ殺してくれ」と思うくらいのどん底を味わって、それでも生きていく人間の強さよ。ラストシーンのカビリアの表情から、多少のことじゃ挫けちゃいかんなという勇気と元気をもらった。
「道」のジェルソミーナ>>続きを読む
ノマドになった理由、ノマドを続ける理由、自分の生き方を選ぶ姿勢。ノマドの人々が語るそれらには説得力があって、自分の価値観や視野の狭さを思い知った。ノマドの人たちの生き方は、厳しいけれど貧しさや不足感は>>続きを読む
チョウ・ドンユイ目当てで観たけど、俳優さん二人もすごく良い演技してたな。ナナとシャオにとっては代わり映えしない日常が、ハオフォンにとっては希死念慮と闘う日々の一行事が、偶然の出会いによって淡く輝き始め>>続きを読む
なんて素敵なラストシーンなんだろう。通りすがりに怪訝そうな目を向けるおばさんと、興味津々な子どもの無垢な視線が対照的でとても印象深かった。
この監督は視線を撮るのが本当に上手いなって思う。感情の動きを>>続きを読む
ムズイ…誰にどう感情移入していいか分かんないし、気分屋っぽい登場人物が多いからか、人間関係の変化もうまく掴めないうちに終わってしまった。ノラとポルノスター2人の物語にしちゃった方が個人的には楽しめただ>>続きを読む
ロケットォォオ。クソ生意気な腐れアライグマにこんな壮絶な過去があったとは。他のメンバーもちゃんと活躍するし、ロケット救出に体張ってる感じがめっちゃアツいのは間違いないけど、今回はさすがにロケットが一番>>続きを読む
ちさととまひろが謹慎処分によってアルバイトに奮闘するゆるゆるライフを送るなか、青臭くて暑苦しい二人組が部活みたいなノリで殺し屋を目指していく、シリーズ2作目。殺し屋らしからぬ緊張感のない会話がクセにな>>続きを読む
ストーリーは至って普通。ただ、クラシックなカーアクションと口数の少ない登場人物たちがシブかっこよくてなかなか良い映画だった。日本もそうだけど、昔の女優さんって歳のわりに風格ありすぎんか。20代前半に見>>続きを読む
圧巻の映像力と音の緩急で描くアメリカの内戦。無関心を貫く人もいれば、好き勝手に虐殺する人もいて、戦争の常態化による倫理観や秩序の崩壊がめちゃくちゃ恐ろしかった。ホワイトハウスの職員が躊躇なく殺されてい>>続きを読む
自分の存在意義をはじめて見つけたジェルソミーナと、それを最も冷たい方法で用意した社会の厳しさ。イル・マットとの会話に象徴されるように、人生は自分が存在する意味を見つける道のりであって、ジェルソミーナが>>続きを読む
クリエイターのための教科書みたいな映画。1つの作品にどれだけの人の想いが乗っかってるか、またいかに多くのステークホルダーが関わって制作されているかが改めてよく分かった。
ただ、深夜放送のアニメみたいな>>続きを読む
ビアンカとフローラ以来の、なんて甲乙つけ難い花嫁二人だこと。自分はジャヤ派かなーなんて贅沢な二択を妄想しつつ、人の温かさに溢れた素敵な物語だった。インドの田舎に残る女性の権利侵害や古い慣習を指摘しなが>>続きを読む
超豪華キャストによるアル・カポネ逮捕大作戦。敵役のデ・ニーロも含め、みんなやっぱり存在感がすごい。その点では眼鏡のオスカーが良いアクセントになってるな。ある程度は史実をベースにしてるんだろうけど、階段>>続きを読む
このロバ、めちゃくちゃ演技上手いな。控えめで不安げな瞳も、悲壮感の漂う後ろ姿も、このロバじゃないと表現できない代物だったと思う。EOの旅の中で、悪人だけじゃなくて善良な人間にも時々出会えるんだけど、総>>続きを読む
想像以上に面白い映画だった。『1984』的な近未来を現代日本の延長線に嵌め込みつつ、普遍的な若者の葛藤を水気たっぷりに描く良作。どちらの意図もバチンとハマってるのが見事すぎて、わりと序盤で空監督のこと>>続きを読む
穏やかな変化を楽しむ秀作ヒューマンドラマ。エリザベートの喪失感も、タルラの厳しい境遇も簡単には好転しないんだけど、昔から近くで支え続けてくれる人とか、新しく生まれた交流がゆっくり変化を与えていく過程が>>続きを読む
武士道に生きるアメリカの殺し屋のお話。特に面白い展開があるわけでもなく、ただ主人公の生き方に触れ、その余韻に浸る映画だった。「羅生門」を読んで、昔の日本って面白い国だったのねって思う感性はなかなか素敵>>続きを読む
エマ・ストーンにさせちゃいけないこと全部やらせちゃう監督、ヨルゴス・ランティモスによる3篇のオムニバス映画。Kindnessは憐れみであり、いびつな優しさ(献身性)でもあり、ひょっとすると鑑賞者に求め>>続きを読む
1つの社会現象としてのジョーカーと、それを1人で担い切れなかったアーサーの理想と現実の法廷劇。
ホアキンの怪演が再び楽しめるだけで価値のある映画だし、ハーレイクインの存在とミュージカルシーンが、アーサ>>続きを読む
死と出会い、死に戸惑い、最後には死に笑いかけるおじいちゃんのお話。どこまでが演技か分からない、亡くなる間際のハリー・ディーン・スタントンのラストアクトが最大の見どころ。死んだらすべて無になってしまうっ>>続きを読む
皮肉と希望の両方が込められた『すばらしき世界』。社会福祉の不完全さ、一度逸脱した者や不器用な人への不寛容さを嘆きたくなる一方で、足りない網目を人の手で繋ぎ止める人間社会の素晴らしさも強く感じた。ただ、>>続きを読む
戦争行為の狂気と愚かさを、全編を通して様々な角度から描いた映画。『地獄の目次録』と共通するところもあるけど、同じ一小隊にフォーカスしている分、前線での兵士の生活や指揮系統、内部分裂の過程なんかがリアル>>続きを読む
食べ物を不味そうに見せる天才だ。作品全体に漂う不快感や嫌悪感は、何もアパートの住民たちや怪物オチークの仕業だけではなく、平凡な食事を気色悪く写す撮影技法に拠るところが大きい気がする。これぞ本当の飯テロ>>続きを読む
これぞ集大成。最高の幕引き。前半の意表を突く展開から、追加メンが重要なピースとして希望をつなぎ、最後には初期メンも追加メンも勢揃いで総力戦に挑む流れ、文句の付けようがないくらい素晴らしかった。誰ひとり>>続きを読む
「第一印象を信じるのは危険です。」自分を信じる努力の天才エル・ウッズの痛快サクセスストーリー。周りから誤解や偏見の目を向けられても、自分を曲げずポジティブに頑張る姿はすごく素敵だった。本当に輝いて見え>>続きを読む
コレガ、東京デスカ。ニッポン怖イネ〜。
制作スタッフに日本人いなかったのかなって思うくらい、外国から見た日本すぎて少し白けてしまった。敵役のヤクザが日本語カタコトなの違和感でしかないし、そのくせ妻夫木>>続きを読む
イーストウッドの西部劇とインド映画史への情熱だけで作ったような、破茶滅茶ながら超面白い映画。中盤まで誰が何してるのかよく分からないし、登場人物の大半が悪役だし、主人公が無理やり全員成敗して終わる感じか>>続きを読む
ちょっと強すぎるな。サノスよりも断然宇宙の脅威な気がする。途中から人物の見え方や敵対関係が変わったり、ストーリーは結構面白かったんだけど、キャプテンマーベルが強すぎて敵に少し同情してしまった。ジュード>>続きを読む
笑って泣けるお別れコメディ。余命宣告を知らせる文化、知らせない文化それぞれ正解だろうし、優しい嘘で最期を悲しませない中国スタイルも悪くないかもなって思った。全編を通して、家族のつながりや冠婚葬祭を重ん>>続きを読む