ゆうちゃん

パーフェクトブルーのゆうちゃんのレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.5
作者は天才だ。素晴らしい
パプリカの方は完全に絵柄だけで評価された駄作だと思うが、こっちはその正反対レベルで面白い物語だった。

「現実と幻想の境がわからなくなる」みたいなテーマの作品はけっこうあるけど、だいたいどちらが現実か幻想かわかりやすく、その2つの世界を行き来することが多い。
それに対して、このパーフェクトブルーはアニメの演出がうまいのかどれが現実でどれが幻想かわからなくなる。いつシフトしたのかもわからない。
それに加えて主人公は女優だから演技の世界もひとつの虚構の世界として混じってくる。複数の世界が一気に提示されて、それを「どれが現実か幻想か?」と問われているような感触だった。
哲学的にも考えがいのある面白い作品だと思う。