じゅり

セブン・イヤーズ・イン・チベットのじゅりのレビュー・感想・評価

3.9
ハインリヒは初め子どもが出来ることによって仕事(登山)に悪影響になるのが嫌だったから、逃げるようにヒマラヤへと仕事へ旅に出る。長引く戦争のせいで帰れず会えずで、徐々に息子の事が頭から離れない。苦しいのに序盤ですぐに手紙で離婚を強いられ新しい父親が代わりにいることも一方的に知らされる。ハインリヒは仕事さえ優秀だったけど内面は孤独で協調性など無かった。でも、チベット人たちとの出会いでハインリヒは変わっていく。チベットの人たちの優しさや国のささやかな豊かさが、ハインリヒの内面に良い影響を与えた。異国の宗教や文化を互いに受け入れる様子が美しかった。ダライ・ラマの王様(?)なのに普通の子どもの様な尽きない好奇心と輝いた目と屈託のない笑顔が自分のまだ見ぬ子どもと重なって、彼といると何もかもを忘れられるようになって、笑顔になっていくハインリヒの表情が良かった。この映画はチベット問題などの時事的な事も絡んでいるけど、ハインリヒの父親としての成長がとても感動する映画でした。でも、あの仕立屋の女の人がハインリヒでは無い方と良い感じになり、結婚するのは驚きでした。人は見た目じゃ無くて内面で選ぶ事の大切さみたいなのをチベット人は心に刻んでるのでしょうか。
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