ヒラリー

にごりえのヒラリーのレビュー・感想・評価

にごりえ(1953年製作の映画)
3.7
樋口一葉の短編小説をオムニバス形式で映画化
1.十三夜
奏任官の元に嫁いだものの旦那の女遊びは激しく、辛く当たる夫に耐え切れず子を残して実家に戻ってきた娘おせき
母は快く迎え入れてくれるが父はもうしばらく耐えるよう諭す。
結局家に帰ることを決め人力車に乗り込むも束の間、引いていた男は人気のない場所で彼女を下ろそうとする。
ちらと見た男の顔は幼馴染、想いを告げはせぬが恋慕の相手であった。
互いの気持ちが滲み出るも一緒にはなれぬ現実…
短い尺ながらとても良かった。
2.大つごもり
資産家の元に奉公に出ているみねは孤児だった自分を育ててくれた伯母から借金の話を聞く。
2円あればあと1カ月返済が延びると告げられ、奉公先に頼むと快諾、相談し了承を得るも期日に金は貰えず、挙句にの果てにそんな事知らないと一蹴
そんな折、預けられた金がすぐ近くにしまってある。
この中から2円だけ…でも許可は得ていないから盗人になる、でも2円あれば伯母家族は救われる…
葛藤を頂きながらもずっとそわそわしてしまった…良い子だ…
3.にごりえ
菊乃井は遊郭の中でも一番人気の遊女
自称妻子無し羽振りも良いお客さんにありつき、その後もずるずると贔屓になる。
ある日、とある男がちらとこちらを見ているも菊乃井は知らんぷり
妻子ある身にも関わらず自分に貢ぐだけ貢いだ男であった。
他人の人生狂わせた負い目も感じるだろうが遊女だから仕事だし…結局自分の意思だから自業自得
一番可哀想なのは奥さんと子供だよ。。
現代だと女の浮気に関して男は許す傾向にあるが男の浮気に関しては女は許さず即絶縁が多い世の中
思い立ったら何をするか分からんものよのぉ。
ヒラリー

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