まるまる

ペーパー・ムーンのまるまるのレビュー・感想・評価

ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)
4.5
画面作りが度を超えて上手だと感じた。構図もとてもよく、色バランスも物の形もよく、隙のない映像だった。シーンの中にもスクリーンショットを撮りたくなるような美しさがあった。ロングショットが多めの絵がカッコよかった。ロングショットは寂しい雰囲気を出すのに効く。ローハッピーエンドというのか、良いような悪いようなラストで、最後のアメリカの広い何もないロードをぼろぼろのトラックで抜けていくシーンがとても気持ちが良かった。キャスト組の大切さがよくわかった作品だった。赤いフィルムを使う事で白黒絵の場合赤みを消しはだの色を消し空の青を濃くするという技法があったのだと知った。そうすると顔もはっきりする上、明度計画的にもとても見やすい画面になる。ストーリーから演出の隅から隅まで計算されていてとても賢い映画だと感じた。観ていて無駄な間がない上、伏線の張りと回収と仕掛けが細々とされていた。また、俳優の2人が実は親子というのが驚きだった。父とのこんな掛け合いの映像作品が残るなんて素敵だと感じた。少女がタバコを吸っている事に驚いた。当時はそれが普通だったのかと不思議に感じた。

ペーパームーンのアトラクション?が流行った時代。その時代を舞台に設定している。

絵や体温がかなり好き。
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