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フィラデルフィアのnonのレビュー・感想・評価

フィラデルフィア(1993年製作の映画)
4.0
【2016年レビュー】
「ハドソン川の奇跡」を観た後に若かりしトム・ハンクスを見ようかなとという気持ちになり鑑賞。そして、ああこれは軽い気持ちで観てはいけないやつだわとすぐに気付く。トム・ハンクスもデンゼル・ワシントンも素晴らしかったのだけれど、それすらも後になってじわりと感じたほどにストーリーに引き込まれた。ベケットもミラーもタイプは違うけれど、すごく真っ直ぐで、情に熱い。愛すこと愛されることが素直にできる人間。だからこそミラーはベケットに心動かされ裁判を引き受けたのだろう。彼は偏見によって仕事を失い、信じていた人たちから裏切られ深く傷ついた。でも、最後まで正義と愛を貫いた。彼を見守る恋人、家族や友人たちが温かくて泣けた。そして、彼らの応援があったからこそ、これほどの裁判に挑めたのだとも思った。特に両親が素晴らしかった。後半はベケットを見ているのがとても辛かったが、「どんな困難にも解決策はあるばず」と彼は最後まで闘っていた。確かに日本でも無知による差別や偏見はあった。目に見えないウイルスなどというものに怯えるのは仕方がないのだとも思う。ただし、差別と偏見は別問題。同性愛に対する偏見や噂を鵜呑みにした過度な差別化は絶対にしてはいけないのだと改めて考えさせられた。
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