佐藤克巳

反逆のメロディーの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

反逆のメロディー(1970年製作の映画)
4.5
デニス・ホッパーぽいから佐藤蛾次郎を起用したのだろうが、寅次郎の小坊主の印象が強く幾分減点とした。荒涼とした鹿島で、白の番犬警察組織の青木義朗と、黒の番犬須賀不二男率いる大ヤクザ組織が蜜月関係で、地元組長弟原田芳雄とはぐれ愚連隊藤竜也、地井武男が孤立し、地井が殺害されたのをきっかけに反逆する鎮魂歌。本作は、デヴュー2作目で澤田幸弘監督会心の日活ニューアクション転換期の傑作だが、梶芽衣子が殺された地井の時計を原田に手渡し、「女はさっきの事もすぐ忘れる」と言いつつその場を去るが、町中を歩きながら涙が溢れ出ていたシーンが一番印象的だった。
佐藤克巳

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