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ギルバート・グレイプのoliveのネタバレレビュー・内容・結末

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

この作品は1994年日本公開。また見て引き込まれました。

ギルバートは、アメリカのアイオワの小さな町に家族と暮らしています。食料品店で働きながら、知恵の遅い弟の面倒をみて、一家の大黒柱のような存在です。料理上手な姉と反抗期の高校生の妹、そして夫の突然の死で、今は山のように太って居間のソファーに座って動かない母。

この町から一度も出たことのないギルバートと弟が、毎年夏に通過してゆくトレーラーの一群を見に来るところは、「ノマドランド」を思い出させました。アメリカには、このスタイルの暮らしがその頃からあったんですね。

そのトレーラーの一台が故障して、修理のためにとどまるベッキーと(その祖母)が、ギルバートに思いもよらなかった風を吹き込んで、展開してゆきます。あー恋ってすごい。

変化は、家族のなかからも起こります。
弟は、高いところに登るのが好きで、町の給水塔に登る事件を何度もおこしているのですが、今回は留置場に入れられてしまいます。7年間一歩も外に出なかった母が立ち上がり、彼を連れ戻しに向かいます。一家を乗せた車がその重さで右に傾いています。そう、この映画には辛い人生なのにユーモアもいっぱいあるんです。

恋のために弟の世話が心もとなくなり、事件がおきたり、思いがけず弟を殴ってしまったり。そんなかギルバートが恋人のベッキーをお母さんに会わせます。その後で、お母さんがギルバートに話しかけます。
「お前は、ひかり輝く甲冑をつけた王子様のようだよ」

母と子供達の生活もいつかは終わるときがくる。
新しい出発の輝きと同じくらい素晴らしい、温かな家族の物語がここにはあります。
Johnny Deppも最高よ。
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