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NEMO ニモのhagubのネタバレレビュー・内容・結末

NEMO ニモ(1989年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

幼少の頃、家にあったビデオソフトは数種類。ドラえもんの大長編が数本、あとは「ゴジラvsビオランテ」「マドックス01」今にして思えば、どういうチョイスなんだと思うが、中でも思い出深く記憶に刻まれているのがこのニモというアニメ映画。

最後に見たのは20年ほど前だと思うけど、あらすじを思い出してみる。
ニモという少年の街にパレードがやってくる導入から彼の日常に変化が訪れる。ベッドが夜中になると彼を乗せて歩き出したり空を飛んだりする。そして空から真っ逆さまに落ちたり汽車に轢き殺されそうになると目が覚める。冷蔵庫が太い声で自分の名前を呼んできたり、夢だったのか、なんだったのか、おれは病気なのかという薄気味悪い自己懐疑を幼いながらに感じた。
そして今度はパレードの連中が夢の国へニモを連れ出す。夢の国ではしゃぐニモは顔色の悪いピエロにそそのかされて開けてはいけないという扉を開けてしまい、中からナイトメアという夢の国を滅ぼそうとする黒くてネバネバしたやつを解放してしまう。おれ知ーらねっと逃げ出すピエロ。王様にそれを伝えようと奔走するニモだがうまく伝わらないもどかしさが子供心に妙にリアルだった。そして王様も夢の国も扉からあふれ出したナイトメアに取り込まれてしまう。
それから生き残った変な獣たちとかとナイトメアを倒す冒険に出かけるというようなあらすじだったと思う。

原作は外国の漫画で、宮崎駿なんかが加わるはずだったが色々あって変更があったりぐだくだと伸びてしまったみたいな話を岡田斗司夫が言っていた気がする。
とにかくニモの世界観は子供心に不気味だった。子供の頃、夢は現実とは別のもうひとつの世界だった。空を飛んだり、汽車に追い回されたり、タブーを犯したり、どれも自分の中で起こったことであり、これから起こることでもあるような気がして人ごとではなかった。
宝石箱の中のクッキー。
ピストンガスケット。
パジャマうんたらかんたら言う呪文。
ずっと脳にこびりついて離れない。
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