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大魔神のnotitleのレビュー・感想・評価

大魔神(1966年製作の映画)
3.5
映画の上映時間1時間23分。その大部分、実に1時間8分まで魔神は全く出てこない。初代『ゴジラ』どころじゃねぇ、ギャレス・エドワーズ並みに引っ張りだ。

魔神登場までの間、家来の謀反からあっという間に10年が経過したり、主人公側の計画が悉く失敗したりとあまり良いところがない。婆さんは強靭な生命力で最期まで頑張っていたが、それも運が尽きた。挙句、子役の芝居は下手くそでどうしようもないという始末。
命運尽きたかと思ったその時、ようやく魔神登場。待ってました! 魔神封じのハニワが魔神に変身だ。オイオイ、あんたが魔神だったのかい!

当時としては画期的なブルーバック合成で巨大な魔神を映像化しているのは見事。ライティングが絶妙で、人と背景の色が上手くマッチしている。合成部分だけじゃなく、魔神が人間を掴むショットは動く人形を使っていたりと、カット同士の繋がりも違和感がない。ブルーバックも当時の特撮にしては上手く抜けていて撮影スタッフのレベルの高さが窺えます。しかし、建物が崩れたりするところで抜けきれなかった背景が残っていたこと、あたしゃ見逃さなかったよ(笑)
あと、足音が聞こえたり聞こえなかったりするのは、もうちょいなんとかしてほしいです、魔神様。
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