YUMI

カリフォルニアのYUMIのレビュー・感想・評価

カリフォルニア(1993年製作の映画)
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サイコ物でロードムービーという、私の大好物が重なってりゃ観ないわけにいかないでしょ、って感じでチョイスしました。
そんな期待を裏切らない出来栄えだったと思います。
今よりずーっと若いのに、なんか薄汚い、まさに汚れ役のブラピの演技も良かったし、ストーリーの裏側に隠れている色んな「物語」が感じられる脚本も奥深いなと思いました。
まず、アデールという、ちょっと頭の弱そうな女の子。彼女が恋人のアーリーから横暴な扱いを受け、時には暴力を振るわれながらも離れない理由。彼女はかつて三人の男から暴行を受け、身体だけでなく心にも深い傷を負ったという過去があるんですね。だから、アーリーに少々殴られたところで、腕っ節の強い彼と一緒にいれば、他の男たちから守って貰えるという安心感から、彼を頼りきっている。
一方、そのアーリーが何故こんなサイコ野郎になったかという経緯は描かれていないけど、ガールフレンドの事を、相手が代わっても「ママ」と呼ぶ辺りに、何かあるのかなと思える。
真面目なジャーナリストだったブライアンが、アーリーの影響を受けて、銃を撃つことを次第に楽しむようになって行くシーンは、誰の心にもこうした獣性みたいなものが潜んでいるのかも、って気がして、もしかしたらこの場面が一番怖かったかもしれません。
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