湯山敬

TAXI NYの湯山敬のレビュー・感想・評価

TAXI NY(2004年製作の映画)
3.5
ストーリーとカーアクションだけなら本家(初代)以上だけど、一番の人気キャラだったジベール署長にあたる人物を出さなかったのはギルティ。


簡単に比較すると本家は「体を張った動的コメディ」で、こっちは「漫才みたいな静的コメディ」って感じ。
良く言えばキレイなコメディだけど、悪く言えばオチが読みやすいってことだから、本家みたいに腹抱えて笑うシーンはなかった。

コンビを男女にしたおかげで、新しい展開(ベルの彼氏が勘違い)が生まれたのは良かったけど、できることなら対比を作る意味でも女女コンビにして欲しかった。


上でも言った通り、ストーリーとカーアクションはこっちの方が良い。
敵が外国人の強盗団だったり、逃走手段(塗装)が似てたり、ストーリーの大まかな設定は1と同じだけど、あっちはコメディらしくリアリティのない展開があったから、ストーリーの細かさは圧倒的にこっち。
カーアクションも1と比べるとこっちの方が良いけど、個人的には空飛ぶ2や雪山を登る3が好きだから1みたいにただ変形するだけだったのは残念。続編があった場合そういう車を出す予定だったのかもしれないけど、アメリカ版でどういうふざけ方をするのか観たかった。


本家の1と比べるとこの作品の方が格段に面白いけど、それでも本家の方が好き。
最初に言った通り、一番の人気(ぶっ飛び)キャラだった署長がいないのは許せないし、エミリアンにあたるウォッシュバーンも終盤は成長したけど、最初はバカなだけじゃなくて少しナルシストも入ってたから観ててイライラした。

ただジゼル・ブンチェン演じる敵の女盗賊は良かった。同じコメディ作品だと「ビバリーヒルズコップ2」で出てきたブリジットニールセン演じる女強盗思い出した。
初めて観たときはジゼル・ブンチェンって知らなかったけど、今だとスーパーモデル&ブレイディの(元)奥さんってイメージ。演技力も問題ないし、作品にさえ恵まれれば、それなりの女優になってたはずだけど、その必要もないんだろうな。笑


結論として、自分みたいにぶっ飛んだコメディが好きな人には少し退屈な作品かもしれないけど、人によってはこっちの方が好みって人もいるだろうし、リメイク作品にしては良く出来てたから、本家シリーズを観たのならついでに観てみるのも良い。
湯山敬

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