みおこし

特攻大作戦のみおこしのレビュー・感想・評価

特攻大作戦(1967年製作の映画)
3.9
かなり前に観たんだけどMarkしそびれてたのでします!
大好きな作品の1つ。

軍隊刑務所に集ったワル〜い囚人たち。釈放と引き換えに、ライズマン少佐が提案したのは、ナチスの高官たちの集まるパーティへの潜入作戦を含む、危険な任務への参加だった...とどっかで聞いたようなプロット。それもそのはず!私が崇拝してやまないタランティーノの『イングロ〜』のベースとなった作品の1つ。
あの作品の元となった作品を片っ端から観ていた高1の頃。『地獄のバスターズ』『追想』などなどの中で、一番グッときたのが本作!!めっちゃ面白かったなー!!最初観た時の衝撃は忘れられない。

1960年代以前の戦争もの(反戦ものじゃなくて、ただ戦闘を描いてるだけのやつ)は正直勧善懲悪に徹しすぎているというか、長くて説教くさくてなんか苦手なのです。が!本作は戦争の悲劇を訴えつつも、エンタテインメント性に富み、ブラックユーモア満載、味方をあえてアンチヒーローとして描いた走りなのでは?とこのワル〜い特攻部隊のメンバーの魅力にどっぷり浸かってしまった。
キャストもリー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、チャールズ・ブロンソン、ジョン・カサヴェテス、テリー・サバラス、ジョージ・ケネディ、そしてジャック・バウアーのパパこと、若き日のドナルド・サザーランド。なんちゅう渋いメンツ、こんな渋いキャスト他にいる?(笑)

まずキャラそれぞれの個性が立ちまくり。個人的には飄々とした若手兵士を演じたサザーランドと、見るからに憎たらしいサバラスが圧巻でした。ジョージ・ケネディも沈着冷静で何考えてんだかよくわかんないところがかっこよい(笑)。初めは整列さえできず、リー・マーヴィンおじきにしごかれまくる訓練のシーンがほとんど。このシーンがあるから、それぞれのキャラの個性がつかめて楽しいんだろうなあ。ダメダメだったのにだんだん統率取れてくる感じ、『少林サッカー』みたい!!(笑)滑稽なセリフのやり取りもすごく楽しめた、脚本家に脱帽。
ラストのナチのパーティ乱入シーンは、手に汗握るし血も騒ぐしで最高のシークエンスです...!!

でも、ただ殺戮を描いてるわけじゃなく。どんなに極悪でも、女子供を殺すことには繊細な男たち。それでもどんな相手だろうと戦わなきゃならないという残酷な現実に向き合い、最後は殺戮兵器と化してしまう兵士たちの姿はまさに戦争による負の産物。きちんとメッセージ性もある。

この偉大なキャストと、戦争を実際に経験したスタッフだからこそ為し得た、今はもう絶対に作れない痛快戦争映画だと思う。
ラストは賛否両論あるかと思いますが、私は思わず涙してしまいました。でもかなり好きなエンディングです。
おすすめ!!!
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