ふりかけ

レイジング・ブルのふりかけのレビュー・感想・評価

レイジング・ブル(1980年製作の映画)
4.5
2024 120本目 5/8

重く、辛い……

アメリカンニューシネマの金字塔を作り上げたスコセッシ、シュレイダー、デ・ニーロが描く、孤高のボクサーの栄光と転落の人生。
彼らの「男」像ほど、荒くれで不器用で、それでいて見ていて胸打たれる闘志ややるせなさが滲み出る、なんてスクリーン映えする男たちなのだろう、と感動するものはない。
賢く冷静に生きられない、ただ情動的で野生的な彼らの凄惨な様子は、引用にもあったようにシェイクスピアや古代ギリシャ悲劇のような「堕ちていく美」、悲哀の芸術性を感じさせる。作品後半のリングでのデ・ニーロの顔はどうしようもないぐらいの哀しさや虚しさでいっぱいだった。
"デ・ニーロ・アプローチ"もさることながら、夢が儚く散った男の顔に、俳優・それ以上のものを感じられた。完璧で素晴らしい映画だった。
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