紅茶

レイジング・ブルの紅茶のレビュー・感想・評価

レイジング・ブル(1980年製作の映画)
4.3
なんとも執念深く、性根が腐っている男なんだ。急にブチ切れる瞬間を撮るというのはスコセッシ作品でおなじみですが、彼はやはり細かな人間描写を映し出すのが上手い。本作はジェイク・ラモッタをモデルにしていますが、監督本人を自ら投影しているのではないかとも言われているらしい。最後の聖書からの引用は何を示すのか。観客に訴えかけているとすれば、それはラモッタの醜い生き様に対する批判こそが醜いのではないかと説教を受けているように感じる。
そして本作は何と言ってもオスカーで主演男優賞を受賞したロバート・デ・ニーロの徹底した役作りに触れないわけにはいきませんね。太った姿は完全に顔が腫れっぽくてデ・ニーロだとは判別できない。太ってる姿が醜いとは思わないが、今回のあの体には醜さを兼ね備えていて、ジェイク・ラモッタのボクサー引退後のあり様をこれぞとばかりに体現している。メソッドアクターの素晴らしさを感じた。
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