爆裂BOX

ジャイアント・スパイダー/大襲来の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.3
宇宙から飛来した隕石の中から出現したクモが人を喰い、巨大に成長し田舎町に繰り出しパニックが始まる…というストーリー。
宇宙から来たクモが巨大化し、田舎町を恐怖に陥れる70年代怪作カルトSFです。スティングレイから発売されたBDで鑑賞。
ウィスコンシン州の小さな牧場に落下した隕石。強い放射線と共に質量を増したそれは、やがて並行宇宙への出入り口・ブラックホールへと変貌を遂げ、そこを通って宇宙に暮らす凶暴なクモ達が現れる。全長50フィートの巨大グモを筆頭としたクモ軍団は牧場主のケスター夫妻を始め、近隣の住民を次々と血祭りにあげていく。一方、NASAの科学者らはブラックホールの存在に気付き、何とかしてクモ軍団を退治しようとする、という内容です。
小学生の頃にVHSで鑑賞して以来の再見ですが、意外と覚えてるシーンあったな(笑)「怪奇大百科」みたいな本にも載ってたBDのジャケにもなってる日本版のポスターは素晴らしいですね。
前半はクモがあまり登場せず、田舎町の住人たちの生活や人間模様描いた田舎コメディみたいな感じで進みます。クモは中々暴れてくれませんが、何時も住人からの電話ニコニコしながら受ける人のいい保安官、浮気者で欲深いクズな牧場主、その妻はアル中気味、ムチムチでエロいその妹とその彼氏や過激な説教してる伝道師とキャラは結構しっかりしてるので意外と飽きずに見れましたね。ただ、前半は誰が主人公なのかイマイチわかり辛かったですね。牧場主夫婦が結構メインで出てくるけど、主役かと思ったら結構アッサリやられるし、妹とその彼氏が主役かと思いきや出番あんまりなくて、主人公である女性天文学者とNASAの科学者は逆に最初の方出番少ないです。
クモは小型の隕石がパカッと割れて登場しますが、本とんどのクモは小型で本物のタランチュラ使って撮影してます。タランチュラが部屋中あちこちをササッと動き回る姿は気持ち悪さありますね。巨大グモはフォルクスワーゲンにハリボテのクモ被せて撮影しており、子供の頃見た時は「ショボいな…」と思いましたが、今見ると実際にデカイハリボテ作ってるんで、人に襲い掛かるシーンは意外と迫力ありました。ここはCGじゃ出せない味も出てますね。フェスティバルにクモが現れたり、クライマックスの住民達とクモが激突するシーン等、超低予算ながら住民がエキストラとして多数参加してるのでパニックシーンは意外と様になってた。しかしあんなデカイクモに真正面から挑んでいく住民対勇敢過ぎないかな?
小型のブラックホールが出現してそこからクモが現れたというう設定や、退治する為に中性子爆弾が必要とかそれっぽい事いってるけど全く意味わからなかったな(笑)製作陣もよく考えてないというか、特典映像見ると実際に脚本完成しないまま撮影に入ったからこうなったんだろうな。
最後もアッサリ決着ついてそのまま唐突にラスト迎えますが、巨大グモ倒してブラックホール塞いだと言っても、まだまだ小型クモ一杯いるのに一件落着みたいな感じ出されても。あんな町に近い所で中性子爆弾使っちゃうのが如何にもアメリカ~という感じですね(笑)ただ、巨大クモがドロドロ溶けていくシーンの特撮は見応えありました。
Z級に近いけど、牧歌的な感じ出てて、ハリボテ巨大グモも迫力と可愛らしさあるし、妙に嫌いになれない作品でしたね。ゲイリー・ジョーンズの「スパイダーズ」は本作に影響受けてるというか、結構オマージュ捧げてたんですね。