福福吉吉

ふくろうの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ふくろう(2003年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
1980年頃、国によって作られた東北の希望が丘開拓村は人々が離れていき、今や母・ユミエ(大竹しのぶ)、娘・エミコ(伊藤歩)の2人が残るのみであった。食べ物や衣服にも困る2人は男を呼び込んで売春し、その上、男を殺害し始める。その後、2人の家に来た男を次々と殺害していく。

◆感想◆
内容自体はかなり怖いはずなのだが、本作の登場人物同士のやりとりが特徴的で面白く、コミカルさを感じるものになっていました。

本作はユミエとエミコの自宅のみでストーリーが進んでいき、そのストーリーも「男が来る→売春→殺害」の繰り返しなのだが、ユミエ、エミコ、訪れる男のそれぞれの個性が際立っていて、あれよあれよといううちに登場人物たちのやりとりの面白さにハマっていき、最後まで観ることができました。

その背景には国が舵を取っておきながら放置された村とそこに残された2人という重い現実があり、その部分がストーリー進行の中でも上手く絡めていて、面白いです。

終盤には村の元住人が現れ、かなり劇的な変化があるのですが、その中でも基本となるふんわりとした緩い雰囲気は変わらず、どこか面白く感じました。

ワン・シチュエーションの中でユミエとエミコの2人組の個性が魅力的で面白い作品でした。

鑑賞日:2023年11月13日
鑑賞方法:BS松竹東急
(録画日:2022年10月14日)
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