ナツミオ

パリは燃えているかのナツミオのレビュー・感想・評価

パリは燃えているか(1966年製作の映画)
4.0
NHK-BSPプレミアムシネマ録画鑑賞

“フランス人は走り終わってから考える"

過去数回、数十年振りに鑑賞。
VTRビデオソフト持ってた!
未レビュー再投稿。
過去、イイネ!
頂いた皆様ありがとうございます‼️

第二次大戦末期、ドイツ占領下のパリが解放されるまでを、アラン・ドロンをはじめ国際的なオールスターキャストで描く戦争スペクタクル大作。
監督はフランスの巨匠ルネ・クレマン。

受賞歴
・第39回アカデミー賞 2部門ノミネート(撮影賞 (白黒部門) マルセル・グリニヨン
美術賞 (白黒部門) ウィリー・ホルト マーク・フレデリクス ピエール・ギュフロワ
・第24回ゴールデングローブ賞ノミネート(作曲賞)

原題 『Paris brûle-t-il ?』
英題 『Is Paris Burning?』

1966年米・仏作品モノクロ
監督 ルネ・クレマン
脚本 ゴア・ヴィダル、フランシス・フォード・コッポラ
原作 ラリー・コリンズ ドミニク・ラピエール
音楽 モーリス・ジャール
撮影 マルセル・グリニヨン
出演 ジャン・ポール・ベルモンド アラン・ドロン ブリュノ・クレメール ゲルト・フレーベ レスリー・キャロン シャルル・ボワイエ オーソン・ウェルズ ピエール・ヴァネック カーク・ダグラス クロード・リッシュ ロバート・スタック グレン・フォード イヴ・モンタン アンソニー・パーキンス ミシェル・ピコリ ヴォルフガング・プライス シモーヌ・シニョレ ジャン=ルイ・トランティニャン 
ほか多数。

翻訳者 松崎広幸

(NHK番組内容より)
第二次大戦末期、ヒトラー率いるドイツ占領下にあったフランスの首都パリを、ノルマンディーに上陸し、侵攻する連合軍とレジスタンスが解放するまでを、実写映像なども交えてドキュメンタリー・タッチで描く群像劇。

ラリー・コリンズとドミニク・ラピエールの原作を、ゴア・ヴィダルとフランシス・フォード・コッポラが共同脚色、フランス語追加台詞をマルセル・ムーシー、ドイツ語追加台詞をグレーテ・フォン・モローが担当、ルネ・クレマンが監督したパリ解放の2週間を描いた大戦裏話。

オーバーチュア(前奏)
インターミッション有り(約2分)

・パリ市民たちが祖国解放の熱気、熱狂から蜂起が始まるが、連合軍のパリへの進軍は予定されていなかった。
このままでは、いずれ食糧、弾薬は切れ拠点は潰され、ワルシャワ蜂起の様に市街地は廃墟となる。
連合軍の進撃と併せた蜂起では無いことがよく分かる。

・よく言われる国民性を表したジョークを思い出す。
「フランス人は歩いてから考える。ドイツ人は考えてから歩く。イギリス人は歩きながら考える」

まさに、ドイツに立ち向かったが、その後は、どうする⁇⁇

・フランスのレジスタンス運動は、無数の組織、イデオロギーや主義、主張の違う組織があり一枚岩の組織では無かった。
作品内でも、ドゴール派と仏共産党(PCF)の対立、出し抜きあい、どちらがマウントを取るかというところも描かれていて、まさに戦争秘話というところが興味深い。

・フランス人俳優だけでなく、オールスターキャストで描いたパリ解放までの群像劇。
あんなところや、こんなところにも脇役チョイ役で大スターが出ており探す楽しみも。

モノクロ映像に、当時の実写フィルムも織り混ぜ混沌とした市街戦がリアル。

モーリス・ジャールのテーマ曲(花のパリっぽい、明るい曲)は、よく覚えていた。

Wikipediaの本作品欄で、制作時の苦労話、エピソードが興味深い。

(以下Wikipediaより抜粋)
映画の制作は当時、存命であったイヴォン・モランダ、公的機関(パリ警視庁と内務省)の両方から多数の承認が必要となった。また、シャルル・ド・ゴールによって厳しい監修が行われ、ド・ゴールは手紙に書いた規則に従うことを条件にパリでのロケ撮影を許可したという。特にド・ゴールはフランス共産党による解放で果たした活躍の描写を最小限に抑えることを切望しており、脚本のフランシス・フォード・コッポラは後に「露骨な政治的検閲だった」と発言している……

ラストに現在のパリ市街がカラーの俯瞰で写しだされ、この街並が辛うじて残された奇跡を感じずにはいられない。


過去レビュー
モーリス・ジャールのテーマ曲が耳に残ります。

スコア4.0 →4.0
イイネ! 6人

【忘備録】
(キャスト)
・イヴォン・モランダ Yvon_Morandat
… ドゴール派幹部
- ジャン=ポール・ベルモンド
- Jean-Paul Belmondo

・モノー博士 Charles_Monod
- シャルル・ボワイエ
- Charles Boyer

・フランソワーズ・ラベ  
Françoise Labé
… ラベの妻
- レスリー・キャロン
- Leslie Caron

・アンリ・カルチャー中尉 
Lieutenant Henri Karcher
- ジャン=ピエール・カッセル
- Jean-Pierre Cassel
息子も俳優のヴァン・サン・カッセル

・タンクのGI G._I._In_Tank
… アメリカ軍の戦車兵
- ジョージ・チャキリス
- George Chakiris

・アンリ・ロル=タンギー大佐
Colonel Rol-Tanguy
… 自由フランス軍=FFI
仏共産党(PCF)イール・ドゥ・フランス地区委員長、ドゴール派のライバル組織PCFの首領
- ブリュノ・クレメール
- Bruno Cremer

・レーベル大佐 Colonel Lebel
- クロード・ドーファン
- Claude Dauphin

・ジャック・シャバン=デルマス
Jacques Chaban-Delmas
… ドゴール派の幕僚(右派)
- アラン・ドロン
- Alain Delon

・ジョージ・パットン将軍
Gen. George S. Patton Jr.
… 米陸軍将軍
- カーク・ダグラス
- Kirk Douglas

・アレクサンドル・パロディ
Cerat - Alexandre Parodi
- ピエール・デュクス
- Pierre Dux

・オマー・ブラッドレー将軍
Lt. Gen. Omar N. Bradley
- グレン・フォード
- Glenn Ford

・ディートリヒ・フォン・コルティッツ将軍 General Dietrich von Choltitz
… 独軍パリ占領軍司令官
- ゲルト・フレーベ
- Gert Fröbe
この演技が最高‼️
パリの廃墟が免れた1番な功労者‼️

・イヴ・バイエット Yves Bayet
- ダニエル・ジェラン
- Daniel Gélin

・ザ・ベイカー The Baker
- ジョルジュ・ジェレ
- Georges Géret

・アルフレート・ヨードル
General Jodl
- ハンネス・メッセマー
- Hannes Messemer

・フォン・アルニム少佐
Lieutenant von Arnim
- ハリー・マイエン
- Harry Meyen

・マルセル・ビジアン軍曹
Sgt. Marcel Bizien
… 自由フランス軍軍曹
- イヴ・モンタン
- Yves Montand

・ワレン Sgt. Warren
… アメリカ軍軍曹
- アンソニー・パーキンス
- Anthony Perkins

・エドガー・ピザーニ Edgard Pisani
- ミシェル・ピコリ
- Michel Piccoli

・エーベルナッハ大尉 
Capitaine Ebernach
- ヴォルフガング・プライス
- Wolfgang Preiss

・フィリップ・ルクレール将軍
Jacques_Leclerc
… ドゴール派。自由フランス軍機甲部隊司令官。
- クロード・リッシュ
- Claude Rich

・カフェの女主人 Cafe Owner
- シモーヌ・シニョレ
- Simone Signoret

・ウィリアム・L・シーバート将軍
Brig. General Wm L. Sibert
- ロバート・スタック
- Robert Stack

・サージ大尉 Serge
- ジャン=ルイ・トランティニャン
- Jean-Louis Trintignant

・ロジャー・ガロア少佐 
Commandant Roger Gallois
… デルマの部下。ドゴール派。
PCFシンパ。
ロル大佐の命を受け連合軍への使者となる。
- ピエール・ヴァネック
- Pierre Vaneck
一番印象に残ったキャラ‼️
幾つもの難関を通るシーンにドキドキ‼️

・クレール Claire Morandat
- マリー・ヴェルシニ
- Marie Versini

・チャーリー Charlie, un soldat U.S.
- スキップ・ワード
- Skip Ward

・ラウル・ノルドリンク領事
Consul Raoul Nordling
… 中立国スウェーデン領事
- オーソン・ウェルズ
- Orson Welles
”マスのムースが忘れられない!"

・ルイゼ知事 Préfet Luizet
- ミシェル・エチェベリ
- Michel Etcheverry

・アドルフ・ヒトラー Adolf Hitler
… ナチス総統
- ビリー・フリック
- Billy Frick
ヒトラーにそっくり⁈

・フォン・ヴォインブルク将軍
General von Voineburg
- エルンスト・F・フュアブリンガー
- Ernst Fritz Fürbringer

・パンター戦車の指揮官
- ギュンター・マイスナー

・フレデリック・ジョリオ=キュリー
- サッシャ・ピトエフ

・ディビュ・ブライデル
- マイケル・ロンズデール

・パウエル諜報員
- E・G・マーシャル

・Gen. Field Marshal Model
- Konrad Georg

・Commandant prison de Fresnes
- Joachim Hansen

・Georges Landrieu
- Félix Marten

・Lilane Charvet, la jeune mariée
- Paloma Matta

・Commandant SS à Pantin
- Günter Meisner

・Joliot-Curie
- Sacha Pitoëff

・Policeman / Le gendarme
- Albert Rémy

・Soldat allemand brûlé
- Christian Rode

・Adjudant allemand métro
- Helmuth Schneider

・Soldat allemand métro
- Otto Stern

・Bernard Labé
… レジスタンス組織の重鎮。
逮捕され服役中。妻フランソワーズが釈放のため奔走。
- Tony Taffin

・F.F.I. bazooka
- Jean Valmont
バズーカを撃った後カフェでお祝い

・SS - tapisserie de Bayeux
… ルーブルにあるバイユーのタペストリー入手でコルティッツ司令官の元へ訪れる。
- Karl-Otto Alberty
脇役ドイツ軍人役でお馴染み‼️

- Pierre Collet
Un policier résistant

・司祭 Priest
- Paul Crauchet
上衣を捲り上げ警察署まで走る姿がコミカル。
ナツミオ

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